2月11日、ブリヂストンの創業者・石橋正二郎氏の長女にして鳩山由紀夫元総理(66)と鳩山邦夫元総務相(64)の母・鳩山安子氏が90歳で他界。その莫大な「遺産相続」を巡り、とんでもない計画が進められていた。
安子氏は実家からもたらされる莫大な資力をバックに、夫の鳩山威一郎元外相のほか、由紀夫氏や邦夫氏らの政治活動を物心両面で支えた鳩山家の「ゴッドマザー」として知られていた。
「安子さんは由紀夫氏、邦夫氏の兄弟にそれぞれ約42億円の生前贈与を行っていますが、それでも残存する遺産は250億円前後に上ると言われます。兄弟の各総資産額は生前贈与の時点で100億円を超えており、今後はそれに加え、安子さんの残存遺産が分割相続されるものと見られています」(石橋家関係者)
実はその莫大な遺産、否、鳩山家の資産を巡って今、ただならぬ騒動が持ち上がっている。しかも騒動の主役が由紀夫氏の妻・幸さん(69)、永田町の剛腕で鳴らす生活の党・小沢一郎代表(70)というから穏やかではない。
キッカケは幸夫人の「壮大な計画」だった。
「私の夢はハリウッドで映画を作ること。主演はトム・クルーズ。前世で私はトムと一緒だったの・・・・」
幸夫人がテレビ番組でこんな珍発言をブチ上げたのは09年5月。彼女は前年の8月までに構想7年に及ぶ脚本を書き上げ、由紀夫氏による英訳が終わりしだい、ハリウッドに脚本を持ち込むと意気込んでいた。
その後、09年9月に由紀夫氏が総理に就任。ファーストレディとしての仕事に専念すべく、幸夫人は映画制作の夢を封印しなければならなくなった。ところが10年6月に由紀夫氏が総理を辞任するや、彼女は満を持して行動を再開。「鳩山由紀夫と鳩山家四代」の著書もあるジャーナリストの森省歩氏が指摘する。
「実は10年の9月下旬、幸夫人は『日本のビル・ゲイツ』の異名をとる映画業界の重鎮、依田巽氏のもとを訪れています。依田氏の会社に乗り込み、会長室にいた依田氏に『トム主演のラブロマンス映画を作りたい。力を貸してほしい』と直談判に及びました」
森氏によれば、困惑した依田氏が「費用はどれくらい準備できるのか」と尋ねると、「鳩山の家から10億円くらいなら」と返答。対応に窮した依田氏は「10億円ではトム・クルーズの出演料にもならない」と諭したというのだ。
制作費用でつまずいた格好の幸夫人はその後しばらく、韓国での映画制作を模索。そんな中、莫大な資産を持つ義母・安子氏が他界し、幸夫人のトム崇拝に再び火がついたのである。