一方で、紳助の向こうを張っていたはずが、雲行きが怪しくなっている一派もある。
さしずめ芸能界最大派閥という噂も一部にあった〈淳一家=タムラ倶楽部〉がその代表格といったところだろうか。かつては、「極楽とんぼ」の山本が率いていた「軍団山本」を引き継ぎ、一時は「我が世の春」を謳歌したものだった。「田村淳は報道番組の司会や読売新聞でのコラム執筆で、社会派を売りにし始めました。しかし、政治などの勉強不足が明らかで、紳助のような幅広い番組MCは難しい。恋愛ネタいじり専門という感じ。このままでは先が見えません」(前出・放送作家)
また、お笑い芸人界の最大派閥として知られる〈松本軍団(まっちゃんツアーズ)〉は、かつての勢いはないものの結束力は依然として強い。
「派閥として完成しているため、新人の加入が難しい。しかも会長の松本人志が結婚したあと、飲み会をあまりしなくなった」(前出・芸能記者)
とパワーダウンがささやかれる。そこで、これまで松本人志へ優秀な人材を紹介する場としても機能していた〈Jリーグ〉が吉本の一大勢力にノシてきそうだと期待を集めた。ところが会長の千原ジュニア(千原兄弟)について、
「ダウンタウンについてきた間はよかったけど、後輩からの人望があまりない。事務所の支援がないと大きな派閥を作るのは難しいかも」(プロダクション関係者)
という声も‥‥。さらに矢部浩之(ナインティナイン)を会長にいただく〈矢部会(チームやべっち)〉は、「メンバーが結婚したり、矢部が青木裕子アナ(TBS)と交際してから、会の集まりもかなり減った」(お笑いライター)
という状態だし、会長・有田哲平(くりぃむしちゅー)が山崎弘也(アンタッチャブル)を若頭にして率いてきた〈しゃくれ会〉にいたっては、
「有田と山崎は最近、別行動が多く、グループ活動は下火です」(前出・芸能記者)
どうやら雲行きが怪しいのである。そんな中、異色のポジションで異彩を放っているのが「次長課長」の河本準一の名前を冠した〈準ちゃん会〉だ。
「飲み会参加者の数は、吉本NO1。売れていない芸人にも声をかけるため、支持が広がっている。狩野英孝など、他の事務所の芸人の参加もあるので、芸人の一大交流の場になっています」(お笑いライター)
派閥・軍団・グループが混在するお笑い界。芸人たちは、そんな世間をどう泳ぎ渡って行くのか?
「複数の派閥に重複して属しているメンバーも多くいますが、あまりいろんな会に顔を出しすぎると、『お前は、誰派や!』と先輩に怒られるので、側近と言われる人たちはあまり他の会に参加しないのが、暗黙のルールです」(お笑いライター) 先輩とのつきあいで出世したタイプと言われるのが綾部祐二(ピース)である。大谷ノブ彦(ダイノジ)の側近から〈Jリーグ〉を経由して、最大組織の〈松本会〉の主要メンバーまで上り詰めた。それに伴い、仕事も急増したそうだ。
最近は藤森慎吾(オリエンタルラジオ)がそれに近く、〈準ちゃん会〉の側近だったのが、最近はチャラ男キャラがウケて、いろんな会に顔を出している。
「昔からですが、芸人飲み会は『裏のネタ見せ』的要素も強く、そこで先輩におもしろいと思われれば仕事につながるため、どこの先輩の下につくかでチャンスが大きく変わります」(前出・お笑いライター)
やはり、芸人も腕一本でノシ上がるだけでなく、処世術が求められる時代のようである。
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