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掛布雅之「上本選手会長は殻を破る機会に」

 第15代目選手会長に上本博紀が就任しました。このことは、阪神の世代交代を感じさせる出来事です。

 彼はまだ27歳。今年は一軍での出場があったものの、左足首のケガもあって本人としても悔しいシーズンとなってしまいました。しかしながら、広陵高校、早稲田大学時代には主将を務めるなどチームをまとめる力は折り紙付き。

 今年の秋季キャンプでも、練習中に率先して若手選手に声をかけるなどリーダーシップを発揮する場面を何度となく目の当たりにしてきました。その意味でも、彼の選手会長就任はまさに適任です。

 ただ、彼は野球になると黙々と練習をこなしていくタイプ。今回の選手会長就任でその殻を破ってくれれば、彼自身のプレースタイルも大きく変わってくると思います。

 私が現役時代も岡田彰布が自分のレギュラー争いで悩んでいた時期がありました。そこで「俺は選手会長を降りるから、後任にオカを」と私が球団側に言い、結果として彼が翌年の選手会長に選ばれました。

 それが85年。ちょうどオカが選手会長に就任したその年に、阪神は優勝できたわけです。

 その年はオカ自身も3割4分2厘とすさまじい打率を叩き出し、チームの勝利に大きく貢献しました。

 そういった意味でも、上本の選手会長就任は非常に期待できます。オカのようにチームはもちろん、上本自身の今後の野球人生のためにも重要な役割となるでしょう。

 同時に、今回の件は阪神タイガースが若手の底上げを積極的に推し進めている証拠。球団側も来シーズンは上本を中心とした若手の選手を多く起用していく意思表示でもあるのです。

 かくいう私も阪神の選手会長を経験した一人として、その大変さは理解しているつもりです。

 昔はチームのまとめ役といえば、選手会長しかいませんでした。しかし、今の阪神の選手枠には選手会長の他に鳥谷敬というキャプテンがいます。これはゲームの中で選手を引っ張っていくリーダー。試合の中でチームを鼓舞していく役割を担っています。

 その点、上本の役目は選手と連盟をつなぐこと。総会の中でいかに阪神、また球界がよくなることを提案できるかが彼に最も求められる仕事なのです。

 しかも、日本の選手会は一軍、二軍、どちらも合わせた待遇を協議します。これは非常に難しい判断が迫られます。一軍と二軍とでは、もちろん選手がプレーをする環境は違います。その2つの異なる事情のチームに対して同じレベルで話をするのは、かなり無理があります。

 だとすれば、私は思い切って一軍と二軍の待遇を変えるのも一つの手段ではないかと思っています。

 考えてもみてください。彼らは、仮にもプロの選手です。待遇を同じにするよりも、あえて分けることで一軍に上がればこんな待遇が待っているという二軍選手のモチベーションのアップにもつながる。待遇改善は二軍選手にハングリー精神を生み出す絶好のチャンスなのです。

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