社会

今年も続く中韓との冷えた関係

20140116j

 領土や歴史などを巡る対立で冷え込む隣国の韓国・中国との外交関係。さらには、“北朝鮮のNO2”張成沢氏の粛清で、東アジア情勢は先行き不透明だ。東京新聞編集委員の五味洋司氏が語る。

「中国とのパイプ役であった張成沢氏を粛清したことで、北朝鮮が経済援助を求める相手に日本を選択するというシナリオも十分考えられる。それによって日朝関係が日韓や南北に先行するのを、韓国はいちばん嫌がります。日本に頭を下げて北朝鮮情報を教えてもらうなどというのはプライドが許さないですから。北朝鮮という“外圧”によって、今年は韓国の対日路線が軟化してくる可能性が大きいでしょう」

 しかも、韓国は経済の悪化が深刻化しているだけに、反日の朴槿惠〈パククネ〉大統領が土下座して日本に資金援助を無心する可能性すら出てきている。

「韓国は昨年末に倒産ラッシュが到来する一方、財閥の寡占化が進み、雇用状況はまったく改善していない。ここにきて、朴大統領の強硬路線にも国内から批判が出てくるばかりで八方塞がりの状況。経済危機が表面化すれば、日本と冷えきった関係を解消し、通貨スワップ(緊急時の外貨の融通枠)の拡大をはじめ、経済援助をお願いせざるをえないでしょう」(韓国特派員)

 さらに、中国に至っては問題は山積みだ。昨年11月、東シナ海上空に防空識別圏を設定。尖閣諸島も含んでいたことから、日本国内でも一気に緊張が高まった。中国情勢に詳しいジャーナリストの富坂聰氏が語る。

「中国国内の『日本を挑発してやろう』という勢力に、正当な理由を与えてしまった。防空識別圏内で日本の民間機や軍用機に対して危険な行為を行っても、中国の国内法で裁かれることはないという状況を作ってしまったわけですから」

 誕生から1年が経過する習近平政権だが、成果らしいものはまだあげられていない。株価も景気も低迷し、外資は次々と引き揚げている。物価も高騰し、北京を中心に大気汚染などの環境悪化も目立っている。

「経済格差は深刻で、民衆の不満がいつ爆発してもおかしくない状況です。日本に対する強硬姿勢だけが若者を中心に支持されているので、安易な軟化には踏み切れない。日中双方が真剣に歩み寄りを考えないかぎり、小規模な局地戦が年内に起きてもおかしくありません」(前出・富坂氏)

 東アジア各国に関する外交情勢には、引き続き大きな注意が必要だろう。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored
    318390

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<中年太り>神経細胞のアンテナが縮むことが原因!?

    327330

    加齢に伴い気になるのが「中年太り(加齢性肥満)」。基礎代謝の低下で、体脂肪が蓄積されやすくなるのだ。高血圧や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病に結びつく可能性も高くなるため注意が必要だ。最近、この中年太りのメカニズムを名古屋大学などの研究グル…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<巻き爪>乾燥による爪の変形で歩行困難になる恐れも

    326759

    爪は健康状態を示すバロメーターでもある。爪に横線が入っている、爪の表面の凹凸が目立つようになった─。特に乾燥した冬の時期は爪のトラブルに注意が必要だ。爪の約90%の成分はケラチン。これは細胞骨格を作るタンパク質だ。他には、10%の水分と脂質…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

注目キーワード

人気記事

1
大の里「日体大OB『中村親方』との関係が悪化」/大相撲「初場所“裏”ネタごっつぁん座談会」(3)
2
香取慎吾が告白した「アイドルの闇」…キムタクVTRの謎と中居スキャンダル
3
豊昇龍「巡業先で『女の子の早々退散』に激怒!」/大相撲「初場所“裏”ネタごっつぁん座談会」(2)
4
ロサンゼルス山火事と大谷翔平に意外な影響を及ぼした「フジテレビ豪邸撮影騒動」
5
NHK「おむすび」に登場する藤原紀香「西宮出身なのにエセ度がハンパない」関西弁のゲンナリ感