垣田氏が指摘する。
「韓国では激しい貧富の格差があり、食品関係者は貧しいのです。規模が小さいため、設備投資にコストをかけられず、手軽で安い方法で生産量を増やします。衛生管理も日本とは比較できないほど不衛生な状況なので、大腸菌などが検出されるのでしょう」
韓国食品の問題は細菌に関連したものだけではない。3月末には海苔の養殖業者17名が、毒性が強い農薬を使用していたことが判明して、書類送検された。在韓記者が語る。
「3年間にわたって、釜山や慶南で海苔の養殖業をする時に、白藻病の予防とシミ除去のために農薬を使用していました。政府は海上汚染を防ぐため、農薬を禁止。代わりに補助金を支給し、『海苔活性処理剤』の使用を勧めていました。しかし、あまり効果がないため、業者は工業用の農薬を使用していたのです」
取締りを行った海洋警察は、消費者に注意を呼びかけた。
「農薬が肌に直接触れた場合、ヤケドや失明のおそれがある。摂取した場合、嘔吐や消化不良、胃腸障害など命に関わる危険性もある」
しかし、3年間で、市場には1900トンもの養殖海苔が流通し、大量に消費されていたのだ。
4月11日にはパン生地メーカーの関係者が警察に捕まった。
「廃棄用の卵3万2000個を養鶏場から相場の3分の1以下の値段で買い取り、パン生地に使用していました。廃棄用の卵は冷蔵保管されていたが割れて中身が見えた状態で、食中毒を起こす危険性があるのです」(在韓記者)
発覚時、毒パンはすでに全国のサービスエリアに納品されていた。
調理現場を見て取れる飲食店での食事さえも安全は保証されていないと、朴氏は語る。
「ソウルなど都市部には道路を挟んで2、3坪規模の飲食店がズラリと並んでいます。衛生面は最悪で、キムチを作る時に道端で作業したり、店によっては水道代をケチって、客に出した皿を洗わずに使うケースもありました」
日本では考えられない環境だが、「人命よりコスト」が優先される韓国では、珍しくないという。
こうした不衛生な実態に、昨年7月から在韓日本大使館はホームページで、「食中毒に注意」の勧告を出している。また、台湾では韓国旅行後に下痢や腹痛、嘔吐の症状を訴える渡航者が多いため、1月に衛生当局が感染予防に努めるよう異例の呼びかけを始めた。
しかし、韓国“毒”食品は自国を飛び出して、日本を含めた海外に輸出され、猛威を振るっていたことが明らかになっている。