性別、年代を超えて、その凛とした姿は憧れの存在だった高倉健さん(享年83)。無類のコーヒー好きでも知られていたが、そのコーヒーが健さんの活力の元だったという説がある。
カウンターで1人物静かにコーヒーを飲む。そんなシーンが絵になる男性はこの人しかいないのでは、と万人に思わせた高倉健。コーヒーにまつわるエピソードは数知れない。
「薄いコーヒーにミルクをたっぷり入れて飲んだ」
「本当にコーヒーが好きで1日50杯も飲んだ」
コーヒーのカフェインについては、中毒や依存による健康被害の危険性も指摘されている。しかし江戸後期、長崎出島にやってきたオランダ人医師シーボルトは、著書「薬品応手録」にコーヒーの飲用を奨め、コーヒーは長寿をもたらす良薬と記していた。またハーバード大学の調査では、「1日に4杯以上のコーヒーを飲む人はうつになる確率が20%少ない」と発表している。
純正堂漢方薬局の渡邉正司薬剤師は言う。
「コーヒーに含まれているクロロゲン酸が、老化防止に効果を発揮する」
コーヒーに含まれるカフェインは、末梢血管を広げ血液の循環をよくし、血圧を正常化するため動脈硬化の予防にもなる。また、カフェインは体内の脂肪を燃焼させ、エネルギーに変える働きもするので運動能力もアップするという。
「イスラム教では強精薬的にも利用されたほどの催淫効果もあるとされる」(渡邉氏)
いろいろな意味で、コーヒーが健さんのパワーを支えていたのかも。