3月21日、ヤンキースや巨人で活躍した松井秀喜氏(40)が元チームメートのデレク・ジーター氏とともに東日本大震災のチャリティイベントに参加した。盟友との息はぴったりで、現役時代と変わらぬ友情の深さを周囲に印象づけた松井氏だが、その姿をどこか冷めた様子で見つめていた人物が1人いたのである。
それは、同イベントの発起人を務めていた巨人・原辰徳監督。「巨人」よりも「ヤンキース」のチームカラーのほうが明らかに色濃くなりつつある松井氏とはここ最近、急速に関係が冷えきっているという。
球団関係者が明かす。
「ゴジ(松井氏)がヤンキースのGM特別顧問に就任したでしょう? ウチは幹部たちがゴジに非公式ながら次期監督就任のラブコールを送り続けてきたわけだから、普通に考えれば監督は『大ショック』となるはずだけど‥‥。実を言うと現場レベルではほとんどの人間が『どうせ監督はやるわけない』と思っていたからゴジのヤンキース復帰を冷静に受け止めているんだよ。中でも原監督はとりわけ冷淡で、『あっ、そう』という感じでしたからね。ただ、その表情はどこか怒りを押し殺しているという印象も拭えなかった。まあ、ここまでの経緯を振り返ればそれも無理ないんでしょうけれど‥‥」
巨人は渡辺恒雄球団最高顧問を筆頭に白石興二郎オーナーら複数の幹部たちが松井氏に対し、現役引退直後から「原監督の次の指揮官になってほしい」と球団としての意思を執拗に伝えてきた。こうした“お上”の意向を踏まえ、原監督も一時期は2人だけで会食を重ねるなど松井氏を熱心に口説こうとしていたが、それも昨年秋頃からトーンダウン。それどころか複数の球団関係者によれば、みずからのポジションをせっかく禅譲しようとしているにもかかわらず、煮えきらない曖昧な返事ばかりを繰り返す松井氏について、
「本当にどうしようもなくハッキリしないヤツだな」
と憤り、強い嫌悪感を示し始めたというのである。