同じく11日の午後に交渉を行った、DeNA・山口俊(29)は5日のFA宣言後から巨人入団が決定事項のように報じられてきた。これは周到に外堀を埋め続けてきた結果だという。
「先発転向した14年頃から球団に近いスポーツ紙、テレビ局の関係者が『巨人が強い関心を持っているよ』と耳打ちしていました。もともと山口は子供の頃から大の巨人ファンで、抑えをやっていた時代から親しいマスコミ関係者に『俺、巨人行けますかね?』と口にしていたほどですからね」(DeNA関係者)
一方、DeNA内からは山口の裏切りとも取れる姿勢を非難する選手が出ているという。
「FA権行使は理解できます。ただし、選手会長であるにもかかわらず、まだFA宣言前の10月30日、チームの全体ミーティングに欠席した。本人は自身のSNSで『連絡漏れで僕には全体ミーティングという情報が入ってませんでした』と弁明しましたが、この行動に選手たちから『ふざけんな』『出ていくのはかまわないが筋は通すべき』と憤慨する声が聞かれた。三浦大輔(42)も怒っていたといいます」(前出・DeNA関係者)
遺恨の残る形で古巣を飛び出せば、もともと指摘されてきたメンタルの弱さが来季に影響を及ぼさないだろうか。ところが、先の球団関係者は「同じセ・リーグだから問題ない」と豪語する。
「極論を言ってしまえば、山口は1勝もしなくていい。来季こそ優勝しなければならない以上、他球団の弱体化も必須です。山口は今季11勝でAクラスに浮上したチームの稼ぎ頭だった。同じく広島も10勝をあげた黒田博樹(41)が引退しましたからね」
巨人の皮算用は尽きることを知らない。そもそも山口と森福は本命ではなく、他のFA権取得選手たちにも、水面下で密使を使って調査してきたというのだが‥‥。
「目玉は西武の岸孝之(31)でした。岸は社長と本部長が編成面で権力争いをする西武の構図に嫌気がさし、FA権行使は既定路線だった。ところが巨人には見向きもせず、まったく手応えがなかったことで、巨人はショックを受けたといいます。岸は目立たないところでひっそりとプレーするのが意向で、地元・東北に貢献したいという思いも相まって、楽天以外に興味を示さなかった」(NPB関係者)
当然、巨人は“史上最弱”と嘆かれる打線のテコ入れも図っていたが、こちらもソッポを向かれたようだ。
「松本哲也(32)や橋本到(26)など年間通して活躍できない外野手が評価されていません。そこで、中日・大島洋平(31)やオリックス・糸井嘉男(35)に狙いを定めていた。ところが、大島はFA宣言残留が前提だったため『行きません』ときっぱり。糸井からもにべもなく断られたそうです」(球団関係者)