ノルディックスキー・ジャンプ界の「鳥人」ニッカネン(フィンランド)のW杯通算勝利数を超えた世界女王・高梨沙羅(20)は、今季も開幕4戦3勝と絶好調だ。しかしその裏で、イメージを覆すファン軽視の立ち居振る舞いに、大ブーイングが起きていた。
12月12日、ロシアで行われたジャンプ女子個人第4戦。4位で迎えた2本目で、ヒルサイズに迫るほどの大ジャンプを見せて逆転優勝。W杯通算勝利記録だったニッカネンの46回を抜き去った。スポーツ紙デスクが話す。
「男子に比べて試合数が少ない中、弱冠20歳での偉業達成でした。歴代トップ、シュリーレンツァウアー(オーストリア)の53勝超えも時間の問題でしょう。『うれしいですし、自信につながりますが、(男女で)同じ土俵じゃないので』と謙虚に答えていましたけどね」
地元メディアに対しても英語で応じるなど、世界のファンから絶大な人気を集める高梨だが、いざ日本に戻ってくると、意外な問題行状が噴出していた。スポーツ紙記者が明かす。
「彼女の口癖の一つが『肖像権の問題があるので』なんです。例えば、ファンが写真撮影をお願いしても、まず拒否しますね。それに今季から急に目元がパッチリとしてかわいくなったじゃないですか。ネット上ではプチ整形疑惑まで持ち上がっているので、過去の写真と対比されたくないんじゃないかと邪推もされています」
長野県白馬では、こんな出来事もあったという。民放局スタッフが明かす。
「ファンがレジェンド・葛西紀明に写真を撮ってもかまわないかと聞いたんです。葛西はもちろん『いいですよ』と快く応じた。そこに沙羅ちゃんが通りかかり、ファンが『(葛西との)ツーショット、いいですか』と声をかけました。ところが彼女は『肖像権の問題があるので』とそっけない対応で、その場を立ち去った。誰に対してもにこやかで、常に「神対応」で知られる葛西がムッとしていたぐらいです」
ただ、それは20歳の女子大生が世間知らずだったり、テングになってしまったから‥‥というわけではないようだ。民放局スタッフが続けて言う。
「マネージメントを仕切っている大手広告代理店の指示ですよ。マスコミの囲み取材はお金にならないので、数分間だけ。12月17日からの、北海道・名寄での2連戦前の公式練習でも、与えられた時間はわずか5分でした。スポーツ紙のカメラマンが当日の掲載紙面を持たせようとすれば、『それ、報道じゃなく、営業目的でしょ!』と、すごい剣幕で制止しますからね。反面、ギャラが発生するテレビ局のインタビュー取材などは受ける。両親への合同取材にしても、父親がオーナーを務める焼き肉店に報道陣を一挙に集め、しっかりと会費1万円を取りましたよ。各社、怒りを通り越してアキレています。マスコミはもちろん、選手仲間やファンからもブーイングが聞こえる始末ですよ」
さるジャンプ関係者は、こう語る。
「ジャンプ競技全体の人気アップへの配慮をおろそかにしているように映ります。せめて競技を支えるファンには女王らしく『神対応』してほしい」
ファンを大切にし「メジャースポーツにしたい」と願う競技仲間と、これ以上溝が生まれなければいいが。