スポーツ

12球団の「ヤング侍」汗と涙のブレイク秘話(1)

 いつの時代もプロ野球が愛されるのは、常に新たなスターが誕生するからだ。2012年もチームの強弱にかかわらず、懸命なプレーでファンを魅了してくれた「ヤング侍」たちがいた。その新鮮な活躍を支えた感動エピソードをここにお届けしよう!

広島
堂林 「三振OK」と監督がオーナーに贔屓直訴
野村 熱烈巨人ファンは「菅野に負けない!」

 91年のリーグ優勝から勝利の女神に見放されること20年。ようやくカープに光が差し込んできた。堂林翔太(21)、野村祐輔(23)、2人のイケメン新戦力がファンを沸かせた。

 広島の試合前の練習にはいつも決まった光景が映し出される。外野フェンス付近で1人、素振りを繰り返す選手がいるのだ。体の使い方、バットの出方、軌道などを確認しながら、黙々と振り続ける。

 チームで唯一、開幕戦から試合に出続けているものの、昨季まで一軍出場ゼロの堂林は、リーグダントツの三振とエラーの数。特別扱いに嫉妬するチームメイトも当然いる。本人の中にも葛藤はある。それでも柔らかなマスクとは対照的に、心の芯は強くて硬い。

「野村謙二郎監督(46)は『堂林を育てるのは私の仕事』と言い切り、今季前には松田元オーナーに『贔屓になりますけど、堂林を1年間、使っていいでしょうか』と、わざわざお伺いを立てたんです。個別練習でロングティーにつきあってアドバイスしたり、特守でみずからノックバットを握ったりと、ホレ込みようは相当なものです」(担当記者)

 目をかけているのは指揮官やオーナーだけではない。あの天才スラッガーも堂林に広島の未来を託している。

「前田智徳(41)はコーチの手前もあるのでおおっぴらに技術指導までは行いませんが、配球の考え方だったり、ホームランを打ってベンチに戻ってきた堂林に『どんな球を打ったんだ』と聞くなど、本当に気にかけている。時には『昔は入って3年で結果が出せなければ田舎に帰ったもんじゃ』と尻も叩いています。苑田聡彦スカウト部長も『今年ダメなら辞めろ』とハッパをかけたそうで、球団の総力をあげて堂林を育てようとしているんです」(前出・担当記者)

 野村監督は堂林にいつも「三振はOKだからフルスイングしろ」と伝え、どんなに三振をしても使い続けている。堂林のバッティンググローブには左手に「とにかく」、右手に「振れ」と刺繍が入っている。

 一方、ルーキー・野村の本性もその優しい顔だちとは裏腹で、反骨心の塊だ。

「子供の頃はとにかく病弱で、部屋でジャンプして舞ったホコリにすら喘息の発作が出てしまったほど。中学ぐらいまでは練習ですぐに頭が痛くなったり、吐いていた。だから本人もまさかプロ野球選手になれるとは思っていなかった」(スポーツライター)

 それでも、母親が魚や野菜を中心とした食生活に変えて体質改善を図ったりするうちに徐々に体が強くなり、広陵高では甲子園準優勝を果たす。進学した明大でも1年生からエースとして活躍し、ドラフトの目玉選手にまで成長した。

「広島が一本釣りに成功したんですが、野村は苑田スカウト部長に『僕は他の球団からはそんなに評価されていなかったんですかね』と悔しさをにじませたそうです。特に巨人には思い入れがあって、明大で4年間活躍すれば子供の頃ファンだった巨人が指名してくれるかも、と努力してきたからです。ところが、意中の球団はドラフト前年には菅野智之(22)の指名を打ち出した。それがとても悔しかったそうで、『巨人を見返す。菅野にも負けない』との思いも胸に秘めています」(前出・スポーツライター)

 2人が“弱小”広島カープを歓喜に導く日は近い。

カテゴリー: スポーツ   タグ:   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
大谷翔平「MVP受賞映像」で「真美子夫人の妊娠説」が噴出したワケ
2
「踊る大捜査線」映画後編の「終わり方」は最悪だった!そして柳葉敏郎は織田裕二登場の「つなぎ役」
3
大谷翔平「3度目のメジャーMVP」でもかなわない「凱旋帰国」の高すぎるハードルと「出禁」問題
4
なんだこりゃ!岡田将生の電撃結婚を「完全スルー」した「めざましテレビ」の担当は元カノ鈴木唯アナ
5
阪神・大山悠輔FA流出の「後釜」に清宮幸太郎!「毎年やるやる詐欺」返上のトレード話が急浮上