では、飯舘村や浪江町に建設される最終処分場とはいかなるシロモノなのか。全貌を知る東電関係者は、
「来年、フィンランドのオルキルオト島で稼働する最終処分場『オンカロ』に似た施設になるでしょう。地下約500メートルまで6キロ近い斜坑を掘り、その先の巨大空間に放射性廃棄物を押し込む。満杯になる約100年後に封印。未来の人類が蓋を開けてしまわぬよう、外側に『キケン!』『アケルナ!』など、過去からの重大警告をイメージできるイラストを掲げます」
オンカロは「隠し場所」を意味するフィンランド語で、放射性廃棄物が安全なレベルになるには10万年かかるとされる。まさにSFの恐怖映画に出てくるようなウソのようなホントの話が、現代のこの日本で進行中なのである。しかも、福島の地中深くに埋められる核ゴミは日本国内のものだけではない。国の財布を預かる財務省関係者は、
「日本に最終処分場ができれば、フィンランドに続き世界で2番目。これを日本国内だけで使う手はない。ただでさえ原発事故の収束や賠償にいくらかかるかわからないのだから、全世界の核のゴミを福島が一手に引き取るという巨大な核廃棄物ビジネスに育てる。競争相手はいないから、引取料は吹っかけ放題。この際、原発作業員が使った防護服でも何でも引き受けて、儲けていけばいいんです」
この財務省関係者によれば、原発大国であるフランスのサルコジ大統領が野田総理の国連での発言に賛辞を送ったのも、日本がフランスの核ゴミを引き受けてくれることへの期待があったからだという。
実は66回目の「原爆の日」を迎えた今年8月、広島や長崎の多くの被爆者の間から、次のような声が湧き上がった。
「原爆投下後、私たちは1週間でバラックの市場を立ち上げた。福島の人たちも避難などしている場合ではない。放射能に敏感な子供たちはともかく、少なくとも50歳以上の大人たちは、国が何と言おうと郷土に舞い戻って、一刻も早く除染作業を始めてほしい──」
もちろん、これは福島県民を非難したものではなく、「そうしないと、国に土地を召し上げられ、核のゴミ捨て場にされてしまうぞ」という警告だった。事実、直後に菅前総理が「福島に中間貯蔵施設を」と言いだし、目ざとい一部のブローカーが土地の買い占めに動き出している。
この国に原発再開と最終処分場が必要なら、情報公開と真相説明が先決。それを隠蔽するドジョウ総理は絶対に信用できない。
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