●ゲスト:西城秀樹(さいじょう・ひでき) 1955年生まれ、広島県出身。72年に歌手デビュー後、郷ひろみ、野口五郎とともに「新御三家」と呼ばれ、日本のトップスターとして大活躍。その後は俳優としても活動するが、03年と11年に脳梗塞を発症。右半身の麻痺と一部言語障害が残るもステージに復帰し、現在もその熱唱で多くの観客を沸かせている。今年の4月13日に還暦を迎え、同日に記念アルバム「心響─KODOU─」を発表した。
約8年半ぶりの新曲を加えた“還暦記念アルバム”がオリコンデイリーのCDアルバムのランキングで3位に輝いた西城秀樹。2度の脳梗塞を経験しながら60歳にしてみごとな記録を打ち立てた男のどこまでも前向きな姿勢と、「新・御三家」時代の意外な裏話に天才テリーも思わず「カンゲキ」!
テリー 資料に「ヒデキ、カ・ン・レ・キ」と書かれていますけど、60歳になられたんですよね。おめでとうございます。
西城 ありがとうございます。「ヒデキ、カ・ン・レ・キ」、みんなに言われていますよ(笑)。これ、60歳の記念にブローチを作ってもらったんですよ(とジャケットの胸を指さす)。
テリー あ、そうか。それで赤色のブローチなんだ。
西城 自分で3つオーダーメイドしました。麻丘めぐみちゃんと僕の友達にもプレゼントしたんです。
テリー 60歳を迎えて、あらためて思うところはありますか。
西城 自分自身、ここが再スタートだな、と。もう一回、ここから全てが始まるんだなという、そういう思いがありますね。
テリー さらにおめでたいことに、先日発売されたニューアルバムが、発売日のオリコンデイリーランキングで、インディーズアルバムランキング1位になったらしいですね。
西城 アルバムでここまできたのが、うれしいね。
テリー CDアルバムの総合ランキングでも、サザン(オールスターズ)、福山(雅治)に続いての3位!すごいねえ、秀樹さん。
西城 最初はシングルを出そう、と思ってたんですけど、プロデューサーが「アルバム出そうよ」って。それでヒット曲14曲を再録音して。
テリー アルバム聴かせていただきましたけど、音がシンプルなバンドサウンドな分、西城秀樹の歌唱力がしっかり出ていますよね。
西城 そうですね。コーラスを少なくしてシンプルにムーディに、というのが今回のテーマですね。それで(アルバム)タイトルを考えた時にね、何か心のこもった響く歌がいいと思って。「あ、心の響と書いて、当て字だけど“KODOU”」と読ませることができると思って、それに決めたんですよ。
テリー アルバムに収録された8年ぶりの新曲「蜃気楼」は、どんな思いの中で取り組んだんですか。
西城 この歌そのものが僕ですね。「もう一度だけなら勝てる気がした」という歌詞も含めて、「ああ、これは自分だな」と思えるんです。