テレビ朝日の看板番組の1つ「報道ステーション」のメーンキャスター・古舘伊知郎が降板を表明してからほぼ1カ月が経ち、後任者が発表された。
後任に抜擢されたのは、マスコミに流れていた名前の予想を覆し、同局の富川悠太アナが抜擢された。富川アナといえばこれまでも、報ステで古舘の不在時に代役を務めることもあった。だが、報道一辺倒のお堅いイメージではなく、「スーパーJチャンネル」では街ネタやグルメリポートなどを担当するなど、硬軟合わせ持ったアナウンサーだ。
学生時代から野球に没頭。一時はプロを目指していたほどのスポーツマン。プライベートでは、よき夫、2人の子供の父親としてイクメンとしても知られている。
今回の人事について、フリージャーナリストが言う。
「報ステの枠は、久米宏の時代はオフィス・トゥー・ワン、古舘になってからは古舘プロジェクトに牛耳られ、報道局との軋轢が少なからずありました。ですが、自局のアナを使えば、キャスターに対する高額なギャラがなくなるわけですから、取材費に回せます。ドラマが好調なテレビ朝日が、報道のさらなるブラッシュアップを図る、いいチャンスとなると思います」
また、芸能ジャーナリストは「新たな視聴者獲得につながる」と言ってこう続ける。
「古舘はちょっと短気なところがあって、たびたび放送中に感情を露わに声を荒げることもありました。そこが男性視聴者の支持を得ていた部分でもありますが、富川アナの柔らかな雰囲気は女性視聴者獲得につながると思います」
ドラマも好調なうえ、報道にも力を入れるとなれば、テレビ朝日の一人勝ち時代もそう遠くはないようだ。
(李井杏子)