決めゼリフの「いいわね? いくわよ!」とともに、脚線美を生かしたキックが炸裂! 今も続く戦隊シリーズの第1作「秘密戦隊ゴレンジャー」(75~77年、テレビ朝日系)で、モモレンジャーことペギー松山を演じたのが小牧リサ(65)だった。
──40年以上も続く長寿シリーズになりましたが、第1作はどういう理由で選ばれたんですか?
小牧 基準はただひとつ、「脚を出せる人」だったんです。私、いつも短いスカートだったので、所属事務所もその写真を送ったみたいです。
──一発で合格でしたか?
小牧 いいえ、プロデューサーの方に「思っていたより太りすぎじゃない?」って言われたの。それで私、クラシックバレエを習っていたから、脚をピーンと上げたんですよ。それでビックリされて、合格になりました。
──少しくらいムッチリしていたほうがいいですよ。
小牧 そうなんです、5人が色分けする名前というのは決まっていましたが、私を「桃」にするか「ピンク」にするか‥‥私の太腿の張りを見て「モモレンジャーだ!」となったそうですよ。
──それに合わせて「アカレンジャー」や「キレンジャー」が決まっていったんですね。5人のチームワークはどうでした?
小牧 悪かったわけではないんですけど‥‥「アオレンジャー」の宮内洋さんは特撮モノにはこだわりがあって、「アカレンジャー」の誠直也さんへのライバル意識が強かった。私たち3人は、どっちつかずで、うまく泳いでいた感じでしたね。
──5人そろって変身するという新しい形のヒーロー物でしたが、モモレンジャーに変身後は別の方が演じていた?
小牧 そうですね、最初は女性のスーツアクターだったんですけど、その方が辞めてからは男性の方になって。変身して「トォーッ!」ってジャンプする場面で、どうしても股間がもっこりしますでしょ? テレビを観ていた子供たちは「あれっ?」と思ったそうですよ(笑)。
──そのあたり、子供は目ざといですね(笑)。さて、番組のほうは20%を超える高視聴率で、放映は84話にもなりました。
小牧 確かに長く続きましたね。家を5時半に出て、夜の8~9時まで続く撮影が週に5~6日でしたから、一時は8キロほどやせたこともありました。
──それでは自慢の太腿に影響します(笑)。
小牧 負けず嫌いだったんですよ。アクションでも男性に負けたくないと思う性格なので、体重も落ちたんだと思います。ただ、ショーに出ると子供たちの歓声がすごかったり、実家から「サインをたくさん頼まれたから送ってくれ」と言われたり、人気を実感できてありがたかったです。
──メンバーでは「キレンジャー」を演じた俳優が借金を苦に自ら命を絶つなど、それぞれに“その後の人生”があります。今、振り返ると「モモレンジャー」になったことは?
小牧 私の人生のターニングポイントですね。どんな仕事であれ「あの人、昔はヒーローだったのに‥‥」とイメージを壊すことがないよう、遅刻しないとか、いつも笑顔でいるとか心がけています。