コーチ人事にも、落合氏の責任を問うべき失政は多い。当初、谷繁監督が佐伯二軍監督を打撃コーチに就任させたい考えだったが、落合氏が認めず、谷繁監督が白井オーナーに直訴。結局、折衷案で守備コーチとなった。打撃コーチの席には、チーフ打撃兼野手総合コーチとして、落合氏が68歳の名球会打者・加藤秀司氏を招聘。だが、
「現場から11年間も離れていたため近代野球に対応できず、しかも試合中に居眠りや練習への遅刻を繰り返した。投手部門を統括する森ヘッドは谷繁監督解任後に監督代行兼任になりましたが、落合GMが監督時代の右腕です。投手の一、二軍入れ替えや起用法など、チーム戦略の中枢を森ヘッドが取りしきっていたのだから、谷繁監督1人の責任ではないでしょう。周囲を不本意な『落合閥』で固められ、谷繁監督が信頼できたのは佐伯コーチ、渡辺博幸内野守備コーチ(46)、英智外野守備走塁コーチ(40)の3人だけでした」(スポーツライター)
谷繁監督が解任されると、すぐに渡辺コーチも二軍落ち、逆に谷繁監督と折り合いが悪い辻発彦野手総合兼内野守備コーチ(57)が二軍から引き上げられた。
解任後、谷繁前監督は、知人にこう語ったという。
「とんでもないチームだ。でも、これで落合と顔を合わさなくて済むと思うと、せいせいする。まぁ、もともと顔も合わせてなかったけどな」
キャンプにもほとんど姿を見せない落合氏は、今年、谷繁監督とまったくと言っていいほど会話をしていないというのだから‥‥。
こうして中日を不人気暗黒球団に転落させたことに選手も反発。主力の大島洋平(30)と平田良介(28)がFA権を獲得しているが、
「反落合だけに、出ていく可能性は高い」(前出・スポーツライター)
さらに落合氏には、カネにまつわる不穏な噂まで流れる始末で、
「中日監督時代には、退任が決まってから優勝パレードがあったんですが『契約外だから1日換算の年俸を払ってもらわないと出ない』と主張して、約200万円をもらった人です。オフの契約更改では厳しいコストカットをやっていますが、『そのカット分の何%かがキックバックされる契約になっている』という声が、中日グループ内の反落合派から出ています」(球団関係者)
落合氏は次期監督について、巨人を戦力外になった時に手を差し伸べた「子飼い」の小笠原道大二軍監督(42)を白井オーナーに推挙、すでに内定している。
「落合GMは中日の生え抜きOBを嫌い、立浪和義氏(47)や山本昌氏(51)、山崎武司氏(47)ら、次期監督候補と言われる有力OBを排除してきました。次期監督を用意しておかないと、また彼らを推薦するOBや地元財界などの声が強くなるので、小笠原二軍監督に経験を積ませているんです。ただ、小笠原二軍監督はウエスタンで優勝争いをするなど、監督としての非凡さを見せてはいるんですがね」(中日新聞関係者)
「オレ流運営」にいいようにかき回されていることに、球団とオーナーは、いったいいつ気づくのだろうか。