女優の悩ましい姿を見たいのは男の本能。女優もそれに応えようとはするが、限界はある。あの耽美な作品に、封印された「幻のヒロイン」がいた!
「ドラマの内容が、途中までは『あぁ、なるほど』という感じだったんだけど、後半から近親同士での絡みみたいなものが出てきたりとか、ハードな内容になってきて」
観月ありさが7月22日の「ダウンタウンなう」(フジテレビ系)で経緯を初めて明かした。結局、降板に至ったのは、真田広之主演でヒットした「高校教師」(93年、TBS系)の女子高生役。教師と恋に落ちるだけでなく、実の父親とも関係‥‥というセンセーショナルな役だった。
観月の代役は桜井幸子が務め、最終回に33%の高視聴率を叩き出す。観月は先の番組で「この年齢になってみると、やっといてもよかったのかなあ、みたいな気持ちに」と、後悔を口にした。実現していれば、掛け値なしに“伝説の少女”になっていた?
目下、話題の高畑淳子は、2年前の紫綬褒章受章時に、意外な事実が明らかに──。
〈怒りは未だに収まらない。謝罪もない。ロマンポルノをなめているのか。紫綬褒章? 高畑ナントカという女優、フザケスギテイル〉(ツイッターより)
独特の文体でキレたのは内田裕也だ。内田主演のロマンポルノ「嗚呼!おんなたち猥歌」(81年、日活)は、相手役に高畑が予定されていた。ところが、クランクインの前日にドタキャンしたため、新人の中村れい子に変更。
30年以上も怒りの炎を燃やし続けるとは、さすがロックンローラーだ。
同じく現在、騒動に見舞われているのは高島礼子である。出世作となった「さまよえる脳髄」(93年、ヒーロー)は、映画初出演にして、神田正輝に「ガラス窓に乳房を押しつけられる」激しいカラミも披露。一気に知名度を上げ、テレビや映画で売れっ子になった。ところが‥‥、
「最初は秋吉久美子に決まっていて、撮影もスタートしたんです。ところが、クランクイン直後に『降りる!』と言い出し、急きょ、高島が駆り出されることになりました」(映画記者)
ヌードになれる人材が増えたことは歓迎すべきアクシデントであろう。
高島同様にヌードで出世したのは常盤貴子の「悪魔のKISS」(93年、フジテレビ系)だ。カードローン返済のため風俗嬢になった女子大生を演じ、一躍、主演女優への足がかりをつかんだ。
とりわけ、風俗店の客役の寺脇康文に豊満な乳房をもまれるシーンは語り草だが、当初のキャスティングは松雪泰子。あまりの描写に怖れをなしたため、同じ事務所の後輩である常盤に白羽の矢が立ったのだ。
時計の針を70年代に戻すと、吉永小百合の“サユリスト”に対抗し、“コマキスト”と呼ばれる熱烈なファンを生んだのが栗原小巻だ。新旧のマドンナ女優は、映画「忍ぶ川」(72年、東宝)で因縁を巡らせた。
当初、吉永が主演と発表されたが、その脚本に「裸の初夜のシーン」があったことで、吉永の父が激怒。熊井啓監督に「これを切らないなら娘は出さない」と条件をつけ、物別れに終わる。
代打で抜擢された新人の栗原は高い評価を受け、吉永は逆に、女優としての分岐点を見失ってしまったようだ‥‥。
そして近年、最も脱ぎ惜しみしない女優が寺島しのぶで、代表作は「愛の流刑地」(07年、東宝)ということになる。豊川悦司との愛欲の果てに死に至る不倫妻を熱演したが、本命は別にいた。
「石田ゆり子へのオファーが最初でした。それから女優たちに次々と断られ、最終的に寺島に落ち着いたというのが真相」(映画ライター)
リメイクの際にはぜひ、石田ゆり子で!