近藤氏が続ける。
「金正恩氏がソウルにミサイルを撃ってくるなど、風説の流布に振り回されています。株価は下落を続け、外資系企業も撤退。事態を沈静化させるため、韓国国防部が11日に緊急会見を開き、惑わされないように注意を呼びかけました」
それでもSNS上には若い世代を中心に、不安の声が噴出。韓国政府の火消しは失敗している状態だ。
「米朝開戦」のXデーが近づき、日本でも有事に備えての警戒が強まっている。13日の参院外交防衛委員会で、安倍晋三総理(62)が北朝鮮の弾道ミサイル技術について、
「(化学兵器の)サリンを弾頭につけて着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」
と驚くべき発言で警鐘を鳴らした。ある防衛省幹部もこう話す。
「防衛省内では、米軍が北朝鮮に空爆する確率は50%と見ています。これまでにない異常に高い確率で、不測の事態に向けて動きだしています。その際、北朝鮮の“報復対象”として、日本に攻撃の矛先が向くこともありえます」
金正恩氏がソウルだけではなく、日本にミサイル攻撃を仕掛けてきた場合、迎撃することはできるのか。潮氏が説明する。
「ミサイル防衛は海上の『イージス艦』と、地上に配備された『PAC3』で対応します。例えば、北朝鮮が中距離ミサイル『ノドン』を1発撃ってきたら、約9割の確率で迎撃できます。ただし、迎撃できる能力の限界よりも多くのミサイルで攻撃する『飽和攻撃』を受ければ、日本に着弾する可能性はきわめて高いでしょう」
3月には、北朝鮮は中距離弾道ミサイル「スカッドER」をその迎撃能力以上の4発を同時に発射して、日本海に落下させ、いつでも飽和攻撃ができる能力があることをアピールした。前出・潮氏が続ける。
「日本の法律で『重要影響事態』になれば、自衛隊は米軍の後方支援を行うことになります。航空自衛隊が米軍戦闘機の空中給油をすることもできますが、北朝鮮からすれば『利敵行為』と見なされ、岩国基地などを狙い撃ちされることもあります」
井上氏も北朝鮮の「脅威」をこう話す。
「今の段階では、核弾頭をミサイルに搭載できるほど、小型化には成功していないと思います。それでも科学技術の進展スピードは早く、失敗を何度も繰り返すうちに、成功させることは考えられます」
日本の「平和」はトランプ氏に頼るしかないのか。