日本の正月といえば箱根駅伝。初春の箱根路を精鋭20校と関東学生連合が2018年1月2日と3日に駆け抜ける。今季の「大学3大駅伝」は、「出雲路」が東海大、「伊勢路」を神奈川大が制し、4連覇に挑む青学大は2位、3位だった。第94回大会は、往路、復路、総合の優勝校がすべて異なる「10年に一度の大混戦」となりそうだ。
「どこもレベルが上がっている。戦国時代ですよ」
こう話すのは、昨季の箱根駅伝を制し、3連覇を達成した青山学院大学の名将・原晋監督(50)だ。スポーツ紙デスクが解説する。
「11月の全日本大学駅伝後のことです。前季は大学3大駅伝(出雲、全日本=伊勢路=、箱根)の3冠に輝き、箱根は往路と復路を制しての完全優勝でしたが、今季は無冠。ダブル看板の一人・下田裕太【4】(=学年、以下同)の調子が上がってこない」
ただ、もう1人の支柱の田村和希【4】は、出雲、全日本ともに区間トップと安定した走りを見せた。スポーツライター・折山淑美氏の見立てはこうだ。
「2強プラスワンと見ています。1万メートルやハーフマラソンの記録や経験などの総合力から青学と、出雲の覇者の東海大学、そこに全日本を制した神奈川大学が絡んできた。特に東海大はスピード力があり、往路から一気に飛び出して逃げ切ってもおかしくない。とはいえ、それぞれに絶対エースの不在や山の上り下りへの不安なども抱え、波乱が起きても驚きません」
2代目“山の神”の柏原竜二氏をスカウトし、成長を見続けてきた東洋大学陸上競技部・長距離部門の佐藤尚コーチも「今回は3つのタイトルが別々の優勝校になってもおかしくない」と話す。過去、往路、復路、総合の各優勝校がすべて異なるケースは7回あり、1974年は日本体育大学の6連覇阻止、06年は駒澤大学の5連覇の夢が破れた。今回は10年に一度の大波乱の可能性も!?
12月26日発売の「週刊アサヒ芸能」1月4・11日号には、このほか「復路のカギは下りの忍者」「タイムを縮めるシューズ」など、「箱根駅伝」“オモシロ裏知識”厳選10を徹底取材して紹介している。観戦の前に読んでおけば、その楽しさが増えることは、10倍といわず100倍になる!?