総理夫人が引き起こしたとも言える文書改ざん問題以降、時事通信が3月9日から12日に実施した世論調査で、内閣支持率は39.3%に急落。“危険水域”を危ぶむ声も聞かれ、安倍政権の尻に火がついた。
そんな中、不機嫌さを隠さないのが、いちばんトバッチリを受けている麻生太郎副総理兼財務相(77)だ。野党は監督責任は免れないとして、辞任に追い込もうと躍起になり、参院予算委員会でヤジが飛び交った。それを見かねた麻生氏は、「やかましいな」と野党席をニラみつける場面も。それもそのはずで、
「森友問題が噴出した時から、昭恵さんたちの問題とタカをくくっていたんです。まさか自分に火の粉が降りかかるなんて思っていなかった。新聞紙面にも『辞任』の文字が躍ると、記者たちに『俺の首をとりたいんだろ』とスゴんだことも」(政治部記者)
実は、官邸サイドは森友問題以上に、総裁選の動きを気にしている。
「自民党内はしばらく国政選挙もないし、世論の関心も薄れていて、1カ月後には収束すると見ています。それより官邸サイドは、3選確実とされていた安倍総理の足元がグラつき、“対抗馬”が水面下で動きだしていることを警戒しています」(自民党関係者)
ライバルと目される石破茂元幹事長(61)は、4月にいち早く行おうとした出馬宣言を見送った。
「石破派はこの先、内閣支持率がもっと下がって、世論から待望論が出たタイミングで宣言することに方針を変えました」(前出・政治部記者)
政権への逆風を好機と捉え、引退した山崎拓元副総裁(81)は「反安倍」をまとめようと重い腰を上げ、竹下派に絶大な影響力のある青木幹雄元参院議員会長(83)と料亭で密会。だがそのやさき、
「3月19日の産経新聞の一面トップに、『引退長老衆不穏な動き』という見出しで、牽制するような記事が出たんです。産経は安倍政権寄りと言われているだけに、この記事を読んだ山崎氏は周囲に、『(自分たちを)潰そうとしている人がいる』と込み上げる怒りを抑えながら言ったそうです」(前出・自民党関係者)
国会議員の元政策秘書で作家の朝倉秀雄氏もこう憤る。
「12年に昭恵さんが都内で居酒屋の経営を始めた頃から、永田町では『何を考えてんだ、あの人は‥‥』とささやかれていました。もともと考え方が浮世離れして、物事の本質がよくわかっていない人。その軽率な行動が招いた結果なので、証人喚問に出てくるべき。しどろもどろになって訳がわからないことを口走りそうですが、真相をきちんと語ってほしい」
もう知らぬ存ぜぬは通用しない。国民の怒りが大暴発する前に、さっさと国会で真実を語るべきだろう。