日本列島が地震の活動期に入っている。11月20日には茨城県日立市で東日本大震災の余震と見られる震度5強の強い揺れを観測。そして24日、政府の地震調査研究推進本部は、三陸沖北部から房総沖の日本海溝寄りで、今後30年以内にM9クラスの地震が30%の確率で起きるとの予測を発表した。専門家らが口をそろえて房総沖の巨大地震を警告し始めたのだ。
「房総沖の日本海溝付近には地震の空白域があります。東日本大震災によって三陸沖のストレスは取れましたが、これからこの空白域を震源とする、東日本大震災とは別の巨大地震が起きる可能性がある。私は地震の規模をM7・8、2012年から3年以内に発生する可能性が高いと推定しています」
こう語るのは、東日本大地震を予測していた琉球大理学部の木村政昭名誉教授だ。 実は、江戸期の1677年11月「延宝房総沖地震」と言われる巨大地震が発生している。M8で、10メートルの巨大津波が房総半島を直撃した。
そして、その「延宝房総沖地震」の7カ月前、東日本大震災と同じ震源の「延宝三陸地震」が発生。巨大津波が発生して、多数の犠牲者を出しているのだ。
さらに遡れば、1605年、南海トラフと房総沖が連動した「慶長地震」(M8)が発生。6年後にはやはりM8を超える「慶長三陸沖地震」が起きている。
このように、三陸、房総沖の隣接した海溝では、繰り返し巨大地震が発生していることがわかる。
東日本大震災から8カ月余り。未曽有の巨大地震を経験した我々は復興に必死だが、過去の歴史をひもとけば、いつ巨大地震が再び東日本を直撃しても不思議ではないのだ。
「もし、巨大地震が発生したら、首都圏では震度5~6クラスの強い揺れを覚悟しなくてはなりません。地盤の軟らかいところでは震度7という場所もあるかもしれない。それとともに心配なのは津波です。房総半島には10メートルの巨大津波が押し寄せるでしょう。幸い、東京湾は房総半島が壁になって巨大津波に襲われることはないでしょうが、房総半島を迂回した津波が相模湾の平塚あたりを直撃する可能性はあります」(木村名誉教授)
それだけにとどまらない。1703年にはやはり房総沖を震源とする「元禄地震」(M8)が発生し、その4年後には東海、東南海、南海地震が連動し、
「3・11」以前の日本史上最大級とされている「宝永地震」が発生。そのあげく、富士山が大噴火している。歴史は繰り返す可能性が高いのだ。
木村名誉教授は、富士山の火山活動開始も遠からずあると見ている。
「富士山の風穴の万年雪が溶けているんです。これは富士山の地熱が上昇している証しです」
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