2023年10月、アメリカ自然史博物館の研究チームが、白亜紀に生息していた海生爬虫類モササウルスの新種の骨を発見したと発表した。モササウルスは北極からメキシコ湾までの広い水域で生息していたとされ、全長は7.3メートル。鋭い歯と短い尾を持ち、全体像はクジラとサメが混ざったような形状をしている。今回の新種は、北欧神話に出てくる巨大な蛇「ヨルムンガンド」と発見場所「ウォルハラ」という町の名を合わせ、ヨルムンガンド・ウォルハラエンシスと名付けられた。
古代に生息していたとされる新種モササウルスの骨の発見により、UMAの世界でもにわかにクローズアップされているのが、水棲の未確認動物たちだ。その筆頭であるネス湖のネッシーをはじめ、アイスランドのラガーフロット湖に生息されているとされるスクリムスル、アルゼンチンのナウエルウアピ湖に棲むと言われるナウエリートなどが有名だ。
中でも1872年に最初に目撃されて以降、これまでに幾度となく写真や映像にその姿が捉えられるなど、ネッシーなどと比べて存在の可能性が高いとされるUMAが、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州のオカナガン湖で多数の目撃談を持つ「オゴポゴ」である。水棲UMAに詳しい研究家が語る。
「目撃情報を元にすれば、体長が5メートルから15メートルほどで、一見するとその姿はドラゴンを思わせるといいます。頭部は馬やヤギなどに似ていて、背中には複数のコブがあり、体は緑色。数カ所に茶色の斑点があります。かつてオカナガン湖で暮らしていた先住民の間ではその昔、湖付近で暮らしていた男が殺人を犯し、その罰として神によってナウタカという大蛇に変えられた、という伝説が存在する。それがオゴポゴではないかというのです」
目撃談が絶えない一方、オルカナガン湖は、長さ170キロメートル、幅3キロメートル、深さが270メートルという比較的小さな湖とあって、巨大生物が生息するには適さない環境であるため、一部研究家の間では、オゴポゴは淡水でも生息が可能なチョウザメか、あるいは新種の鯨ではないか、という説もある。とはいえ、オゴポゴについての目撃情報は、これまでにざっと200件以上。2022年10月中旬に、ボート遊びをしていた夫婦が撮影に成功していることもあり、今年こそは「実物確保」の発表が期待されている。
(ジョン・ドゥ)