元日の能登半島地震に続き、4月3日と23日に相次いで発生した、台湾のマグニチュード6クラスの地震。さらに17日深夜には愛媛と高知で震度6、24日夜にも北関東で震度4と、日本列島とその周辺は地震の活動期に入ったようだ。
Amazonや楽天市場、アスクル、ハンズなどのネットショップでは、売れ筋商品に防災・災害グッズがランクインしている。能登半島地震や東日本大震災の被災経験者の貴重な意見も参考にして、最低限押さえておくべき「本当に使える災害グッズと非常食」を、2回にわたって網羅したい。
まずは防災グッズから。通販で売れているのは、
①充電可能な大容量バッテリーと充電器が一体化したモバイルバッテリー
②ソーラーパネル付きモバイルバッテリー
2011年の東日本大震災は災害用品の概念を覆す、エポックメイキングな出来事だった。自宅にいる時に地震が起きるとは限らない。時速40キロの津波や火災旋風から逃げる際に持ち出せる荷物の中に、必要最小限のグッズを揃えておく必要があるのだ。
家族の安否確認連絡、自治体の避難所開設情報などの情報収集をするのに、スマホと充電器は必携ということなのだろう。
さらに、③防寒と雨具代わりになる、手のひらサイズにまとまるアルミ製シート、④避難所に移動するまでをしのぐ必要最低限の水と食糧、そして⑤家族の連絡先を書いたメモとテレフォンカードだけは、カバンに入れておきたい。
次に必要なのが、水道・ガス・電気が止まっても、水を沸かして飲むためのものだ。それが以下の3つで、
⑥ポリタンク
⑦卓上コンロとボンベ、あるいは七輪と炭
⑧ミネラルウォーター
といったキャンプグッズ。ゴールデンウィークに円安で海外旅行に行けない、国内旅行もホテル代が高すぎるとお嘆きの人は、この機会にキャンプ用品を揃えて、公園でピクニックやプチキャンプを楽しんでもいいかもしれない。
自宅に帰れない場合、避難所でプライバシーを確保できるものなどが必要になる。そこで挙げられるものが4つある。
⑨ポップアップテント
⑩ジーンズ地などの厚手のエプロン
⑪介護用オムツ
⑫多機能ラジオ
小さい子供や高齢者がいる家庭は、冷たくて硬い地面や床に寝るための、クッション性がある敷物や寝袋も準備しておくと万全だ。⑩は東日本大震災や能登半島地震を経験した女性の意見として、胸を隠すためのもの。
そして夜に避難所のトイレを使うのは性犯罪に遭いやすいため、⑪を選定した。
なお、介護用オムツやペットシーツの中身をバラしてゴミ袋に入れれば、簡易トイレにもなる。⑫はライトやランタン代わり、スマホのバッテリーを無駄使いしないために準備しておくといい。
豪雪地帯のドライバーは降雪時の立ち往生に備え、車にミネラルウォーターと非常食、簡易トイレやオムツと、防寒具にも応用できるゴミ袋、寝袋とカイロ、携帯ラジオなどを積んだままにしておく。これが能登半島地震では役に立ったという。車で出かける予定がある人は、簡易トイレやゴミ袋を多めに購入しておけばいい。
ちなみに、小さな子供がいる家庭に筆者が個人的にお勧めするのは、子供が好きなキャラクターのイラスト入り防災頭巾カバー。子供の頭部を守ると同時に、ぬいぐるみや抱き枕、避難所の座布団に代用できる。
後編では「本当に使える非常食」をリストアップしていく。
(那須優子)