朝晩と日中との気温差が大きくなるこの時期に注意したいのが「寒暖差疲労」。
これは、1日の最高気温と最低気温との差が7度以上ある日や、前日との気温差が7度以上になると疲労がたまり、倦怠感、疲労、頭痛、めまい、食欲不振、肩こりや首こり、便秘・下痢、手足の冷え・むくみ、不眠といった症状を発症する。
原因は自律神経の乱れだ。
人は体温を調節する際に、自律神経の働きによって、筋肉を動かしたり、血管を収縮させて筋肉を固くすることで体温を上昇させる。
また汗をかくことで皮膚の温度を下げて体温を下げる役目もある。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、それぞれアクセルとブレーキの役割を果たしている。それらが激しい寒暖差によって1日に何度も切り替わることで体に負荷がかかってしまい、そのため体の様々なバランスが崩れやすくなるのだ。
自律神経の乱れは、睡眠不足、運動不足など、不規則な生活習慣やストレスによって生じることがあるため注意が必要だ。
「寒暖差疲労」の予防は自律神経を整えることにある。
まずは服装選び。朝晩と日中では適切な服装が変わってくるので、この時期は、カーディガンなどを持ち歩き、気温によって調節するのがオススメだ。
軽い散歩や、首や肩を中心とした簡単なストレッチ運動も効果的だ。他にも、イモなどの根菜類の体を温める食材を使ったバランスのとれた食事、規則正しい生活、入浴で体を内部までよく温め発汗を促し、副交感神経を優位にさせることもポイントだ。
日常生活で自律神経のコントロールを取り入れて寒暖差の大きい時期を乗り越えよう。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。