サッカーJ1リーグの残留が遠のき、崖っぷちに追い込まれたのはコンサドーレ札幌だ。
11月9日の第36節、アウェーの地でベルマーレ平塚と対戦。絶対に勝ち点3を持って帰りたかったが、後半5分に先制点を奪われると、同14分に同点に追いついたまではよかったが、結局は逆転ゴールを奪えず。1-1の引き分けに終わってしまった。
2017年シーズンにJ1に舞台を移してからは、一度も降格することがなかったコンサドーレだが、毎年のように主力選手を引き抜かれた。
それでも2018年シーズンに、名将ミハイロ・ペトロヴィッチ監督を招聘。スペクタルなサッカーを展開し、対戦相手が手を焼くクラブに成長を遂げていた。しかし今季の札幌は、リーグ戦の序盤に5連敗、中盤に8連敗と大苦戦で、
「ミシャ監督のマジックが手の内を読まれ、解任の危機に陥りましたが、札幌は5月末に緊急声明を発表。シーズン終了までミシャ監督とともに戦うと宣言しました」(サッカーライター)
フロントは夏の移籍市場で積極的に補強を敢行。DFパク・ミンギュ、DF大﨑玲央、MFフランシス・カン、FW白井陽斗、FWジョルディ・サンチェス、FWアマドゥ・バカヨコ、FWキングロード・サフォがゴソッと加入した。
戦力が整った直後、第28節のジュビロ磐田戦、第29節の川崎フロンターレ戦に連勝し、残留に向けてようやく光が差し込んだかと思われた。が、勢いに乗ったのはここまでだったのである。サッカーライターが続けて解説する。
「湘南戦を見ると、7人の補強組で先発出場したのはパクと大﨑だけです。得点力不足でFWを4人獲得したのに、現在までに白井は1点、バカヨコはPKの1点、サンチェスは0点、サフォは出場すらありません。攻撃的なシャドーでの起用が期待されたMFカンは、1試合も出場していない。なりふり構わずに大量補強しただけで、ほとんど外ればかり。即戦力になっておらず、フロントの見る目のなさに、サポーターは呆れ果てています」(前出・サッカーライター)
さながら「史上最悪の給料ドロボー集め」の様相を呈しているのである。シーズン前の戦力アップを怠り、付け焼刃で勝てるほどJ1は甘くなかった、ということだろう。次節は優勝争い真っただ中のサンフレッチェ広島と、アウェーで対戦する。「99%アウト」といっていい絶望的な状況の中で、コンサドーレはついに引導を渡されてしまうのか。
(風吹啓太)