巨人・岡本和真の「守備位置変更」に、メジャー関係者がもろ手を上げて歓迎ムードだという。セ・リーグ連覇を目指す巨人の今季の布陣は、昨シーズンに三塁手としてゴールデングラブ賞に輝いた坂本勇人がそのまま継続。一塁はこれまたゴールデングラブ賞を獲得した岡本が守るのが基本線だが、ソフトバンクから甲斐拓也がFA加入したけとで、大城卓三が捕手から弾き出され、変更を余儀なくされる可能性がある。スポーツ紙プロ野球担当デスクが状況を解説する。
「阿部慎之助監督は新外国人トレイ・キャベッジを外野で起用する方針ですが、本来なら一塁の方が安心できる。また、大城にマスクを被らせないならば、こちらも一塁に回るしかない。その一塁に岡本がドカンと座っていれば、キャベッジと大城の打撃を生かす場所が限られ、宝の持ち腐れになります」
そこで持ち上がっているのが、岡本の本格的な外野起用である。一塁と三塁でゴールデングラブ賞受賞経験がある岡本だが、実は入団以降、77試合も外野の守備についており、しかも無難にこなしている。
そして外野手としてのプレーは、岡本にもメリットがある。前出のデスクは、
「近い将来、メジャーリーグ挑戦を目論む岡本にはいいアピールになりますからね。というのも、日本人の内野手に、メジャーで成功したと言える者がほとんどいない。名手と呼ばれた松井稼頭央でさえ、守備では失格の烙印を押された。岡本がメジャーで評価されるには、内野だけでなく外野もできるユーティリティーの方がいいでしょうね」
メジャーを取材するスポーツライターがこれに頷く。
「岡本の外野守備に期待しているチームは多いと聞きます。ある程度、長打力がある右のユーティリティーは、ドジャースのムーキー・ベッツのように重宝されますからね」
岡本、メジャーリーグ、大城&キャベッジにいいことづくめの、まさに一石三鳥だ。
(阿部勝彦)