今週は土曜の深夜に、サウジ国際競走(合計9レース)が行われる。日本の一流馬だけでなく、一流騎手もドッと登場するから目が離せない。
日本でも馬券が発売される、1着賞金15億円超のサウジカップ(GⅠ・キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1800メートル)は要チェック。なにしろ日本のダート界を代表するフォーエバーヤング、ウシュバテソーロ、ウィルソンテソーロ、ラムジェットの4頭が出走するのだ。
人気が高いのは、実績最上位のフォーエバーヤング。現在のところ、海外のブックメーカーでは香港の英雄ロマンチックウォリアーを抑えて1番人気だ。しかし、大外枠の14番ゲートは気になる。過去5年、この枠番からは1着はもちろん、2着も出ていない。その理由を解説しよう。
レースはワンターンの平坦左回りで行われ、スタートしてから3コーナーまでの直線800メートルはおおむね、横並びの形で進んでいく。外目の枠に入った馬は距離損は大きい。そのため、直線で伸びを欠いてしまう。フォーエバーヤングも、そうなる恐れがある。
逆にいい枠を引いたのが、4番ゲートのウィルソンテソーロだ。先行力があるので、スタートが決まれば好位での競馬ができそうだ。2着が続いているが、終いは確かなのでチャンス十分だろう。ペースが速くなれば、長くいい脚を使えるウシュバテソーロ、ラムジェットの出番もありそうだ。しっかり押さえておきたい。
難しいのが、今回が初のダート戦となるロマンチックウォリアーの取捨だろう。ダート用の特殊な蹄鉄を履いて臨むようだが、こればかりは走ってみないとわからない。力は認めても、単穴とするのが妥当なところではないか。
日本に目を移すと、今年最初のGⅠ・フェブラリーS(東京・ダート1600メートル)が日曜日に行われる。出走馬は昨年の勝ち馬ペプチドナイルを含めて16頭。マイルに長けた馬による、激烈な争いとなる。
中心は昨秋、今回と同じ舞台の武蔵野S(GⅢ)を快勝したエンペラーワケア。主戦の川田将雅が騎乗できないのは気になるが、癖のない馬なので、横山武史でも問題ないだろう。調教の動きが素晴らしく、デキは万全だ。
ライバルは東京5戦5勝のコスタノヴァ。顔ぶれからして流れが速くなりそうで、自慢の末脚が生きるだろう。連覇を狙うペプチドナイルも入念な乗り込みを消化して、デキは絶好。上位争い必至だ。
(兜志郎/競馬ライター)