あわやダウンというグラグラなシーンが展開された、WBOアジア・パシフィック・バンタム級王者・那須川天心のボクシング6戦目。3-0での判定勝ちとなったが、敗れた前WBO世界同級王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)は、この判定に不満をあらわにしている。
那須川はこれで4度目の判定勝利となり、同時に「弱点」をさらけ出すことに。それを厳しく指摘したのは、元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高氏だった。自身のYouTubeチャンネル「具志堅用高のネクストチャレンジ」で、次のように分析した。
「一発で相手を倒すボクサーを見たら、(コブシの)握りが打つ瞬間、しっかり握って打ってるような気がするんだ。(那須川は)パンチを出すスピードはあるんだけど、当たる瞬間のコレ(インパクト)がちょっと弱いかなと。グローブの中の握りが見えるんだね、弱く握ってるように。パンチのある選手はね、すごく握ってますよ」
反面、将来的に世界戦に挑むことについては、
「(12回戦を戦うスタミナは)ぜんぜん心配ない。昔の15ラウンド制でも大丈夫だよ。精神力も強いですからね」
現在のバンタム級の世界タイトルは全て、日本人選手が独占している。この状況を、具志堅氏はこう評した。
「バンタム級4人の中でいちばん怖いのは、中谷(潤人)チャンピオンなのよ。なぜかっていったら、スピードとテクニック、プラス、パンチがあるんですよ。(那須川が)パンチのキレる破壊力のある選手とやるのは、まだまだ早いかなって感じはしますよね。中谷を除いた3人とは、(那須川は)誰とやってもいいんじゃないかなって、僕は思いますね。チャンピオンになる力は持ってますね」
ダビド・クエジャル(メキシコ)に3回KOで圧勝したWBC王者の中谷潤人は試合後、次戦でIBF王者・西田凌佑との対戦を公言。他にも比嘉大吾と激戦の末、ドローで防衛したWBA・堤聖也、さらにWBOの武居由樹がいる。那須川が視野に入れるのは誰なのか。その前に「握り問題」を改善させないと…。
(所ひで/ユーチューブライター)