2月27日、半導体製造装置を手掛ける会社「TOWA」が、矢野氏を社外取締役に招くことを発表した。
「同社はもともと矢野氏と懇意で、金銭トラブルの穴埋めに報酬を得られるポストを用意して手を差し伸べたと言われています」(球界関係者)
TOWAに矢野氏に社外役員就任を打診した意図を問い合わせると、企画部の担当者は「阪神タイガースでの指導者としての選手育成経験や企業等での講演活動などを生かして、第三者的な目線で人材育成やブランド力向上に力をお借りしたいということ」と説明するだけだった。
今回の金銭トラブル疑惑で一番危惧されるのは、矢野氏が代表理事を務める特定非営利活動法人「THANKYOU FUND」の資金に手をつけたかどうかだろう。球界関係者が解説する。
「筋肉の機能が徐々に衰えていく国指定の難病『筋ジストロフィー』の患者や、児童養護施設の子供たちの支援のために設立された団体です。10年に矢野氏個人の寄付金で『39矢野基金』が立ち上げられ、22年に『THANKYOU FUND』に事業が移行。車イスの購入費助成や、子供たちのスポーツ活動の支援を続けていますからね」
実はX氏も同法人に理事の1人として名前を連ねていた。窓口に問い合わせてみると、
「Xは11月末に理事を退任しております。矢野さんのマネジメントから外れるということで、自己都合につき退任届を出していただいています。もともと矢野さんのマネジメントを担当している中で、『当て職』として理事に名前を記載していただけでした。当法人については横領などのトラブル被害はありません」
矢野氏の所属事務所C社にも、一連の疑惑について質問状を送った。
そもそもC社の代表取締役は出資者の1人でもある、矢野氏のタニマチ・Y社長だというのだが、担当者からはこんな返信が。
「Yが海外出張より(3月)14日に帰ってきますので、改めて連絡させていただきます」
改めて「金銭トラブルの有無」についてメールを送ると、
「金銭トラブルはありません。(X氏は)遅刻や連絡が遅いことなどがあり、矢野のマネジメントを続けていくのが難しいと判断いたしました。その他の質問に関しては(Y社長が)海外出張から戻りましたら、改めてご連絡させていただきます」
と、担当者レベルでは金銭トラブルを否定し続けるのだった。
X氏本人の携帯番号に連絡すると、本人が出たが、
「移動中なので折り返します」
と切られ、その後は音沙汰なし。追って、一連の疑惑について質問状をショートメッセージで送付したが、締め切りまでに返答はなかった。
かつて喜びを爆発させた「矢野ガッツ」が懐かしいばかり‥‥。果たして、矢野氏はいかなる事情で〝腹心〟と距離を置くことになったのだろうか。