食生活の欧米化など、戦後の日本人のライフスタイルの変化に伴い、血清尿酸値の高い人は年々増加傾向にあるという。血清尿酸値が高くなると高尿酸血症を発症し、放っておけば足の親ゆびの付け根などの関節などに激痛を伴う「痛風」にもなりかねない。
近年では急速に食生活が変化した中国でも尿酸値上昇は問題となっており、
経済成長による生活の質が向上した富裕層と呼ばれる人々の間では、ここ5年ほどで痛風羅漢率が上昇の一途をたどっているという。
そもそも尿酸値上昇の原因は「プリン体」の多量摂取にあることはよく知られている。
プリン体の多い代表的な食べ物といえば、干ししいたけ、レバー、カツオ、エビ、煮干し、アンコウの肝などあるが、なかでもビールはアルコール飲料の中でも比較的プリン体を多く含んでいることはご存知の通りだ。
そんななか、世界中の尿酸値上昇の予防策に一役買うのではと、酒類業界内で熱い視線が送られているのが、日本の「機能系ビール」なのである。
実はキリンホールディングスがビール・発泡酒中のプリン体と尿酸値の関係について、兵庫医科大学と共同研究をおこなった結果によると、通常のビールを飲用した場合は尿酸値が「一過性に上昇する」が、プリン体を除去した発泡酒を飲用した場合には、「尿酸値が上昇しない」ことが判明したというのだ。
プリン体を除去した機能系ビールといえばキリン「淡麗プラチナダブル」が現在累計2億本を超える人気だが、この商品の場合、世界初のキリン独自(※1)特許技術の「プリン体カット製法」を一段と進化させ、さらに6月のリニューアルで大麦を増量、飲みごたえをアップさせている。よりビールに近いうまさを残しながら、しっかりとプリン体をカットしていることもあり、今では健康意識の高い人々から支持を得ているという。
こうした、世界でも類を見ない日本の高度な機能系ビールについて、中国の痛風事情に詳しい財団法人痛風財団理事長・鎌谷直之氏もこう話す。
「痛風はいま中国の医学界でも大きな課題となっています。しかし、生活者の間では痛風に対する意識、原因物質であるプリン体に対する認知・理解がまだ十分に進んでいません。今後はこうした日本のプリン体カット技術が、痛風が増加している中国をはじめ、世界における健康課題の解決に貢献できるのではと考えています」
痛風で悩める中国人も“爆買い”したいであろう、日本の機能系ビール。まずはアジア市場を席巻すれば、世界で認められる日も、そう遠くはなさそうだ。
※1 特許番号:第3730935号