春の訪れは桜の開花を促し、やがて新緑の季節へ。暖かい気候がさまざまな花を咲かせると、そこに小さなミツバチがブ~ンと1匹‥‥いや、1匹どころじゃない! 3万匹もの大群が、国際問題に発展するかもしれないのだ。
〈春から夏にかけては、育児が盛んな時期で、訪花活動も盛んです。群勢が増すのに引き続いて、繁殖期に突入します〉
日本養蜂協会の公式サイトにこう説明があるように、春はミツバチにとって本格的に始動する忙しい季節。
「巣箱は公邸の庭で見ましたよ。3つぐらいありましたね。小ぶりな感じで、ここにホントに3万匹もいるのかと思いました」
こう話すのは、全国紙政治部デスクである。安倍晋三総理(61)の昭恵夫人(53)が総理公邸の中庭でミツバチ3万匹の飼育を開始したことは、昨年7月に報じられた。それが今、問題になっているという。政治ジャーナリストが解説する。
「きっかけは、昨年4月に安倍総理とともに訪米した際、オバマ大統領のミシェル夫人がホワイトハウスの庭でミツバチを3万匹飼育しているのを知ったことでした。それで『私もやりたい』となった。東京・銀座のビル屋上でミツバチを育てるNPO法人の協力を得て、公邸で放し飼いにしています。しかし、これが不評を買っているのです」
夫人の突発的な行動に、安倍総理は当初、「大丈夫か? 刺されないのか?」と心配していたというが、やめろとは言えず、「(ハチの)扱い方に気をつけろよ」と、針ならぬ釘を刺すにとどまったという。
ところが──。
「政府内や国会議員、マスコミの間から次々と『苦情』が出ているのです。例えば『ドローンが(官邸屋上に)飛んできて事件になったが、ハチは飛んでいいのか。そもそも、ドローンというのはオスのハチの意味じゃないか』というもの。あるいは、『マスコミが官邸からレポートしている時にブ~ンと飛んできたことがあったらしい』などという話も。官邸に行きたがらない議員もいますし、公邸に呼ばれることだってある。ハチ嫌いの議員は『参ったな~、刺されないかなぁ』と嫌がっていました」(前出・全国紙政治部デスク)
そして、最も懸念されているのは、「ハチがブンブン飛び回って、海外の要人が官邸、公邸を訪れた際に刺されたらどうするのか」という問題だという。前出・政治ジャーナリストによれば、
「公邸の庭はせいぜい50~60坪ほどでしょう。ホワイトハウスのような広さとは違う。(もし要人が刺されて)国際問題になったらどうするんでしょう」
こうした声をヨソに、秋の収穫に向けて、養蜂は続行中。官邸関係者が言う。
「それにしても、日本とアメリカとでは、官邸スタッフの人数が全然違う。実際のハチの世話はスタッフがやっているんだろうけど、大変ですよ」
ところで、このハチミツ、昨年秋には最初の収穫があったはずだが、
「どこで使っているんでしょうか。公邸産ハチミツを舐めたことがある、という人に会ったことはないですね。ホワイトハウスではオバマ大統領一家が食べたり、客人に出したりするという目的があってやっていることですが、昭恵夫人の場合は、目的がよくわからないままやっている。それとも昭恵夫人が経営する都内の居酒屋『UZU』で使用されているんでしょうか。無添加無農薬、無化学調味料がコンセプトのこの店には『自然派』を標榜する人たちがよく出入りしているといいますからね。安倍総理が食べたという話も聞かないし‥‥というか、安倍総理はまったく(養蜂やハチミツに)関心がないんですから。いったん(養蜂を)始めてしまったら、この先どうするのか」(前出・全国紙政治部デスク)
いっそのこと、「アッキーブランド」ハチミツとして販売でもしたら話題になりそうなものだが。