芸能

天才テリー伊藤対談「矢追純一」(2)日テレを力道山の会社と思ってた!?

20160728k

テリー 日本へ引き揚げてきたのはいつですか。

矢追 12歳、小学校6年の時です。やっと東京に着いたものの、母親が心臓を悪くして入院したので、そのベッドの下にゴザを敷いて、僕ら子供3人はそこから小学校に通ってね。

テリー よくそんな環境で大学まで進学できましたね。よっぽど熱心に勉強したんですか?

矢追 いえ、全然。終戦後のゴタゴタで人生観が大きく変わったんですよ。本当に生きるために何でもやっているうちに、金や財産、名誉、プライド、生命──あらゆることに執着がなくなりまして。

テリー 要するに“欲”がなくなった、と。

矢追 そう。でも不思議なことに、そうなると何でも自分の思ったようになるんですね。勉強しないし、努力もしたことがないのに、大学には受かっちゃった。

テリー 矢追さん、UFOに答えを教えてもらったんじゃないの?(笑)。じゃあ、何でテレビ局に入ろうと思われたんですか?

矢追 いや、これも全然思ってなかった。高校の頃から日比谷公会堂の隣のビルでエレベーターボーイのバイトをしていたんだけど、そこに月に一度だけ来るおじさんがいたんですね。顔を合わせたら挨拶するぐらいの関係だったんですが、大学4年のある時、「キミ、就職決まった?」って突然声をかけられて、「まだ何にも考えてません」と答えたら、「じゃあ、日本テレビを知ってるか?」と。

テリー 誰なんですか、その人は?

矢追 当時の日テレの著作権課長。著作権協会がそのビルにあったから、月イチの会議で来てたわけ。で、その人の好意で、当時麹町にあった日テレを見せてもらったんです。その頃僕は、テレビは力道山のプロレスぐらいしか観てなかったから、「日テレというのは、きっと力道山の会社なんだな」と思ってね(笑)。

テリー アハハ、確かにスタジオって、リングさえ組めばプロレス会場みたいですよね。

矢追 しかも「入社試験を受けるには推薦人が必要だけど、もし受ける気があるなら僕がなってあげる」と言われて。で、実際に受けたら合格したんです。

テリー そこまで手厚い扱いなのが、また不思議ですね。入社してからは、どうでしたか。

矢追 最初の3年くらいはドラマ班に配属された。でも僕、ドラマが嫌いでね(笑)、主人公が家出して家庭が崩壊するみたいな話ばっかり作ってたら、めちゃくちゃ視聴率が低くて。

テリー そんな内容じゃしかたないですね(笑)。

矢追 で、次にバラエティ班に移るんですが、それもおもしろくない。と思っていたところに、「11PM」が始まるんです。

テリー おお、日テレの伝説の深夜番組ですね。

矢追 そうそう。で、当時の上司の後藤達彦さんに泣きついて拾ってもらったんです。

テリー 後藤さん、僕もすごくお世話になりました。いつもいい服を着て、ダンディな方でした。

矢追 ええ。で、後藤さんから「お前の好きなことをやってみろ」と言ってもらえたから、考えましてね。その頃、心に余裕がないのか、日本人が前ばかり向いてタッタタッタ歩いてばかりなのが気になっていたので「みんな、たまには立ち止まって空を見ようよ」っていう番組を作りたくなってね。そんな時、たまたま本屋さんで目にしたのが「空飛ぶ円盤」の本だったんですよ

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
同僚ヘルナンデスが指摘!第一子誕生の大谷翔平「ボールが見えない」のは「夜中に起きなきゃいけない」から
2
前世の記憶を持つ少年「僕は神風特攻隊員だった」検証番組に抱いた違和感
3
メジャーリーグ評論家が断言「村上宗隆はヤンキースに行くしかない」意外な理由
4
「二股不倫醜聞」の永野芽郁は映画「かくかくしかじか」宣伝にどんな顔で出てくるのか
5
病気治療「もちまる日記」休止に追い討ちをかける「ありえないサムネイル画像」問題