── では、予防接種についてはどうでしょう。
近藤 間もなく流行時期を迎えますが、インフルエンザワクチンを打っても、予防効果が期待できないどころか、逆に副作用などによって総死亡数が増えてしまうことが、海外での比較試験ですでに明らかになっています。さらに、ウイルスの死骸で作られる新型インフルエンザワクチンなどの不活性ワクチンの場合、死骸だけではヒトの免疫システムが応答しないため、アジュバント(補剤)と呼ばれる「毒」が加えられています。09年の鳥インフルエンザ騒動の際には、打ってすぐの即死も含め、100人以上もの人たちがワクチン接種で死亡しました。
── 何もしなくていい、ということですか。
近藤 インフルエンザは少し重めの風邪でしかなく、安静にしていればじきに治ります。解熱剤を飲んで熱を下げるのもダメ。熱はウイルスを退治するために、体自身が出しているからです。しかも、解熱剤には致死的な脳症を引き起こす危険性もあります。また、ワクチンはどれも「劇薬」に指定されています。予防接種ワクチンには近づかないことが賢明なのです。
── 風邪には抗生物質、というのも‥‥。
近藤 抗生物質は細菌には効きますが、風邪のようなウイルスには効きません。にもかかわらず、少なからぬ医者が風邪に抗生物質を処方し、患者も無効と知らずに服用しています。高齢者の場合、抗生物質で腸内の細菌が全滅、一掃させられたあと、悪玉菌がはびこることによる偽膜性大腸炎に陥って、死亡してしまうこともあります。同様に、女性の場合、抗生物質で膣内の細菌が一掃されたあと、真菌(カビ)がはびこって、膣カンジダ症にかかってしまうこともあります。要するに、風邪をひいたら医者にかからず抗生物質も飲まず、が実は最も安全で有効な対処法なのです。
── そもそも、医療介入や薬によって、なぜ死にやすくなるのでしょう。
近藤 もともと、ヒトの体には自然の調節機能が備わっており、その時々で最も理想的な状態になるよう調節されています。例えば、血圧が年を取るにつれて上昇していくのは、加齢によって動脈硬化が進んで血流が悪くなり、血圧を上げないと体の隅々にまで血液を送り届けることができなくなるからなのです。事実、フィンランドで行われた調査では、高齢者の場合、上の血圧(収縮期血圧)も下の血圧(拡張期血圧)も、高ければ高いほど生存率も高いという結果が出ています。85歳の高齢者でいえば、最長命だったのは「上の血圧180超/下の血圧100超」の人たちでした。
── それを薬で下げてしまうのは危険だ、と。