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記事全文を読む→“硫黄島”噴火直後に「25メートル大津波」が日本列島を襲う(2)日本の総人口95%が生活不能に陥る
はたしてその信憑性はどうなのか。巽教授が解説する。
「取り上げられている火山の危険性については、おおむね順当と言えるでしょう」
世界1位の硫黄島は、もともと海底火山の活動による隆起で誕生した島。小笠原諸島の南端近くに位置し、島の南西端には摺鉢山(すりばちやま)がそびえている。12年4月以降の火山活動に伴い、現在も海上警報が継続しており、15年8月にも小規模ながら水蒸気噴火が確認されている。周辺は、世界的に見ても地殻変動が活発化している場所である。
4位の阿蘇山も15年9月の大規模噴火で警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられた。その後、レベル2(火口周辺規制)に引き下げられたが、ザイルストラ教授は、日本の火山の中で最も活動的であるとして、大噴火の可能性に言及している。約9万年前に列島最大規模の噴火を起こした「実績」もあり、噴火の跡には巨大なカルデラ(火山の活動によってできた大きなくぼ地)が残っている。
「日本列島で巨大なカルデラ噴火が今後100年間で起きる確率は約1%と言われています。1%というと99%大丈夫だと思う人が多いですが、それは間違いです。例えば、95年の阪神淡路大震災前日における震度6以上の揺れが起こる確率は1%でした。にもかかわらず、翌日にあの惨劇が起きました。つまり、巨大カルデラ噴火は、明日起きてもなんら不思議はないんです」(巽教授)
火山で巨大噴火が発生すると、その被害は甚大なものになる。地震が頻発しているフィリピン海プレートと接している小笠原諸島では、噴火が引き起こす火山性地震が懸念されている。
「仮に硫黄島が噴火し、マグニチュード9クラスの巨大地震が起きた場合、高さ25メートルとはいかないまでも、島しょ部で10~20メートル、東京湾も5メートル超の津波に襲われると想定されています」(科学ジャーナリスト)
東京湾は閉鎖的な空間のため海水の逃げ場がない。そのため、特に湾岸の工業地帯が壊滅的な被害を受ける。約3000基とも言われる燃料タンクなどが破壊されれば、大規模火災が発生する可能性も大きい。
また、阿蘇山をはじめとする巨大カルデラ火山が4つも集中する九州中部で巨大噴火が発生した際は、最悪で次のようになると想定されている。
まず、発生から1時間以内に100キロ圏内に数百度の火砕流が流れ込む。翌日までには近畿地方で50センチ程度、関東地方も20センチ程度の降灰に見舞われる。水道は取水口の目詰まりなどで給水不能に。発電所のフィルターが目詰まりを起こすことで発電も不可能となる。これにより1億2000万人、日本の総人口の95%が生活不能に陥るという。
さらに、ほとんどの道路が走行不能となり、鉄道のレールも灰で埋まってしまう。交通網が遮断されることで救援活動や復旧活動も困難な状態となる。
「我々もこれまで幾度となく、関係省庁に危険性を訴えて対策を要請してきました。しかし、答えは判で押したように『予算に限りがある以上、確率の低い災害に税金を投入するわけには参りません』というものでした」(巽教授)
火山大国・日本に突きつけられている課題は重い。
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