芸能

1000人アンケート、見たくない紅白出場歌手ランキング

 11月26日、「第63回紅白歌合戦」の出場歌手が発表された。ところが、本誌がアサ芸世代の男性1000人を対象に「見たくない歌手」アンケートを実施すると、その選考に不満の声が噴出。「お前の歌で年が越せるか!」というオヤジの叫びを聞け!

〈大物ぶって鼻につく〉〈見飽きた感が絶大〉〈ふだん歌を歌ってない〉〈今年ヒットした曲がない〉 ここまでさんざんなコメントを集めたのは、36回目の出場となる和田アキ子(62)である。

 その数「197票」は、他の追随を許さぬ嫌われぶりである。

 芸能評論家の肥留間正明氏が分析する。

「和田アキ子さんは、小林幸子さんのことを言えないくらいヒット曲がないですからね。それに40~50代の方たちにとって年上の和田さんは、“ゴッドねぇちゃん”で威張ってるイメージが強く、煙たい存在に思うのかもしれません」

 確かに、歌手として“今年の顔”と言えるほどの活躍があったかとなると疑問符が付く。

〈若い連中は競争が激しいのに、和田だけ毎年、無条件で出場しているように見える〉という、選考基準の曖昧さを理由にあげる回答もあった。

 日本歌手協会理事で「紅白歌合戦の舞台裏」(全音楽譜出版社)を出版したばかりの合田道人氏が語る。

「それでも、『和田アキ子ってまた紅白に出てるの?』と言いながら、安心して見られる存在が、和田さんなんだと思います」

 一方、白組の1位は注目の美輪明宏(77)だ。

 理由は、〈歌手ではない〉〈歌を知らない〉など無知から来る勘違いもあったが、合田氏はこう分析する。

「美輪さんは一方で『見たい歌手』としても多くの票を集めています。私は今年最大の目玉こそ美輪さんの心の熱唱だと思います。とにかくどちらにしても票が入るのは、それだけ注目度が高いということです」

 とはいえ、和田の場合は「見たい」票の少なさが気になるが‥‥。

 続いて紅組第2位は、今をときめくAKB48である。

〈知らない〉〈興味ない〉〈学芸会のよう〉〈素人の集まり〉などと、世代間のギャップからか辛辣な回答が多数寄せられた。

「AKB48、きゃりーぱみゅぱみゅ(19)、ももいろクローバーZ、上位に入っている彼女たちは、みんな聴かせる歌手というより魅せる歌手ですよね。昔の紅白はラジオが中心だったから、必ず聴かせる曲が流れていて、歌手はみんな歌がうまかった。今はテレビ番組だから、魅せることが重要なんでしょうけど、ラジオで聴くことを知る世代には、パフォーマンス重視の歌手が敬遠されるのかもしれません」(肥留間氏)

 パフォーマンスということなら、楽器を弾かない“エアバンド”のゴールデンボンバーだろう。彼らにも〈楽器弾かないバンドって?〉〈エアだから〉のほか、〈場違いとしか言いようがない〉〈品がなさすぎ〉といった、記者会見で下ネタ発言をしたことに対する厳しいお叱りの声もあった。

「ゴールデンボンバーがどんなバンドなのか、まだまだ浸透していないんだと思います。歌いながら食べるパフォーマンスをするので、紅白でお餅か年越しそばでも食べれば認知されるのでは」(合田氏)

 調子に乗ってDJ OZMAの「全裸ボディスーツ」のような騒動を巻き起こさなければいいのだが‥‥。

演歌世代ではない40~50代

 合田氏が、今年の特徴についてこう解説する。

「演歌歌手が紅7人白5人に減ったことがあげられますね。なのに白組の『見たくない』には、そのうちの3人がベスト5に入っている。五木ひろしさん(64)なんて、去年より今年のほうが売れたんですけどね」

 その五木に、〈面白みがない〉との直球が投げつけられれば、天下の北島三郎(76)には〈見飽きた〉〈古い〉、森進一(65)にも〈新しい曲を知らない〉など、凍える心を温めてくれるはずの演歌勢にかなり冷たい意見が集中した。

「40~50代にとって、はっきりいって演歌は古いものなんです。彼らは演歌世代ではなくて、実はニューミュージック世代ですからね。演歌自体が世代と肉離れを起こしてしまっている」(肥留間氏)

 6位以下の歌手に関しても、白組19位の徳永英明(51)に〈他人の歌で稼いでいる〉、紅組12位のプリンセス プリンセスに〈若い時のイメージが崩れる〉、全部で5組も出ているジャニーズ勢には、〈たくさん出すぎ。紅白は特定事務所の宣伝の場ではない〉と攻撃はやまない。

 さらにアンケートの回答には、〈紅白に興味ない〉〈見ない〉という元も子もない声まであった。

「ライバルにあたる豪華な音楽番組があることも視聴率低下の一因じゃないでしょうか。例えば、年末の『ミュージックステーションスペシャル スーパーライブ』(テレビ朝日系)なんて、紅白に遜色ないメンバーが集まります」(肥留間氏)

 昨年の紅白と「スーパーライブ」の歌手を比べると、実に18組がかぶっている。

「そのうえで紅白を断るような歌手も出ますからね。紅白の特別な位置づけができなくなってしまっているんです」(肥留間氏)

 特定の歌手どころか紅白そのものを見たくない理由の一つが、〈マンネリ〉だというが、合田氏はこう話す。

「いや、メンバーはどんどん変わっているんですよ。例えば、10年前と今年の出演者を見比べてみると、紅組は7人、白組も8人しか残っていない。実はマンネリというわけでもないんです。男と女が歌で対決するというシステムが、六十数年間にわたって続いているという歴史に対するマンネリ感なんだと思います。逆に、こうしてみんながアンケートに答えているほど、紅白ってすごい番組なんですよ」

 確かに、本気で見たくなければ、ムダな意見もぶつけまい。

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