芸能

力道山刺傷男「事件から50年目の“病死”に愛弟子が激怒」

 昭和の国民的スター、力道山の死から間もなく50年を迎えようとしている。その節目の年に、1人のヤクザが死んだ。あの「力道山を刺した男」が、この世を去ったのだ。不世出のレスラーを死に追いやった刺傷事件、当時を知る愛弟子は何を思うのか。

 4月9日、住吉会系の村田勝志幹部が都内の病院で息を引き取った。享年74。糖尿病を患い、晩年は長らく病床にあった。そして、4月12日、13日には葬儀が営まれた。住吉会はもちろん他団体のヤクザ、そして多くのカタギが参列し、別れを惜しんだという。

 村田幹部の名前を聞いてもピンと来ない人も増えたことだろう。しかし、「力道山を刺した男」と言えば、誰でも記憶にある名前であるはずだ。村田幹部は1963年に起きた力道山刺傷事件の加害者となった人物なのだ。

「村田さんの死はニュースで知りました。亡くなった方にどうこう言うつもりはありません。お悔やみ申し上げるという気持ちです。ただ、あの時の冷水を頭からかぶせられたような衝撃を思い出してしまうんです」

 こう話すのは、プロレスラーのグレート小鹿だ。63年5月、日本プロレスに入門。その7カ月後に、事件は起きた。

「試合を終えて、仲間と飲んだあとに、リキマンションの隣にあった合宿所に帰ったんです。パトカーが止まっていて、何事かと思ったら、『力道山先生が刺された』って、信じられないですよ。でも、パトカーの警察無線が聞こえてきて、『レスラーらしき2人組を確保』と言っている。報復のために、先輩が質屋で日本刀を購入しようとしたやさきに警察に身柄を押さえられたところだったんです」

 力道山が刺されたのは、赤坂にあったナイトクラブ「ニューラテンクォーター」だった。用心棒として詰めていた村田幹部と口論になった力道山が殴り飛ばし、馬乗りになって襲いかかった。その際に、村田幹部は登山ナイフを出し、力道山の腹に突き立てた。

 しかし、その場では応急処置のみで、力道山は帰宅する。翌日、症状が悪化して1週間後に死亡する。現在では、死因は医療ミスであったとも言われている。

 グレート小鹿が続ける。

「当時の寮長から『お前らは外に出るな』と言われたので、リキマンションに親分に連れられて謝罪に来た村田さんは見ていない。あとから、その場で別の組織のヤクザにボコボコにされたということを知りました。当時の私は1年生ですから、先輩に『行け!』と言われていたら、ブン殴りに行っていたかもしれません。だからといって憎しみなんてないんです。当時も今も先生がいなくなったことが悲しいだけなんです」

 その後、村田幹部は傷害致死で懲役7年の刑に服した。出所してからは、村田組組長として生きた。

 その村田幹部を91年に取材した作家の大下英治氏はこう話す。

「村田さんは事件の数年前に外国人レスラーに殴られたことがあって、レスラーの腕力を見くびってはいけないことを知っていた。だから、護身用にナイフを持ち、命の危機を感じて、とっさにナイフを出してしまった。ただ、ヤクザであったからこそわかったそうですが、抜いたナイフに脂肪が付着していて、力道山に深い傷を負わせてしまったのではと思ったそうです。力道山を見て育ち、事件を取材した者としては、村田さんが亡くなったことで、昭和が遠くなったと寂せき寞ばくを感じずにはおれません」

 毎年、村田幹部は遺族に迷惑がかからぬように、力道山の命日をずらして、墓参していたという。あの世で2人はどんな邂逅をするのだろうか‥‥。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論