とんねるずの石橋貴明(51)といえば、先輩、後輩にかかわらず傍若無人なふるまいをして笑いを取ってきた。ところが、そうした芸風が通用しないほど勢いが落ちてきているというのである。
昨年10月21日、石橋は大御所・ビートたけし(66)と初タッグを結成した番組「日曜ゴールデンで何やってんだテレビ」(TBS系)を鳴り物入りでスタートさせた。だが、関東お笑い界を牛耳る大物2人が絡んだにもかかわらず、視聴率は低迷を続けてしまったのだ。
「最後の放送となった、3月3日の放送も視聴率3.2%という具合で、公式な発表がないまま番組は寂しい打ち切りとなりました。番組では、石橋が尊敬するたけしに気を遣うばかりで、存在感が希薄だった。いくら大物2人を組み合わせたとはいえ、ミスキャストの感は否めませんでした」(スポーツ紙芸能デスク)
そもそも石橋は、関西芸人に押されるばかりの関東芸人の失地回復を図ろうとしていたようだ。
「石橋さんは企画段階から『関西の芸人は使わない!』と、いきまいていました。実際、宣言どおりに出演する若手芸人枠から吉本芸人を完全排除するほど徹底していた」(TBS関係者)
ここまで石橋が関西芸人を意識する背景を、お笑い芸人を多く抱える芸能プロ幹部がこう語る。
「かつてダウンタウンが東京進出をしてきた80年代後半は、とんねるずの全盛期でした。当時、彼らの担当をしていた現吉本興業社長の大崎洋氏をして『ダウンタウンが大阪でやっていたことは、東京でとんねるずが全てやっていた』と言わしめたほど、逆に意識される存在だったのです。ところが時代は変わり、立場が逆転してしまったことを石橋本人も忸怩たる思いでいたのでしょう」
思えば「何やってんだテレビ」の裏番組はダウンタウンが司会を務める「爆笑大日本アカン警察」(フジテレビ系)だったが、みごとに返り討ちされた形だ。
「番組などの打ち上げで無名の若手を見つけると、石橋さんは積極的にお笑い論を熱く語ります。でも、酔いが回るとネタ込みかもしれませんが、『俺と松本(人志)、どっちを取るんだよ!?』と絡んでくるから、若手は答えに窮しますよ。実際にかわいがっている関東芸人も多く、おぎやはぎやバナナマンなども慕っています。それでも、そうした飲みの席で石橋さんが関西芸人に対してダメ出しをすると、売れっ子の彼らは関西芸人たちと仕事をすることも多いので、適当に相槌を打つしかないようですね」(お笑い関係者)
昨年9月にはテレビ東京で初の冠番組「ハレバレとんねるず 略してテレとん」が特番で放送されたが、2回目の特番となった3月11日の放送が視聴率3.9%と惨敗し、こちらも「何やってんだテレビ」同様に打ち切りがささやかれる始末‥‥。
ここまでの窮状となる前の石橋は、一昨年に引退した島田紳助をテレビで揶揄し続け、紳助本人から携帯電話で直接怒りをぶつけられるという事件もあったが、往年のギャグ「大どんでん返し!」よろしく、もはやそうした相手の反応すらない。
芸能評論家の三杉武氏が言う。
「要は、挑発しても相手にすらされなくなったということでしょう。長寿番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジ系)のマンネリ化もささやかれ、パワーダウンは著しいですね」
妻・鈴木保奈美(46)が4月17日から「家族ゲーム」(フジ系)で15年ぶりに民放局の連ドラに出演したのも、こうした夫の苦境を見かねたからだろうか。