「各球団は昨季以上に菅野攻略の分析を進めているため、3月28日の開幕戦で阪神が集中打を浴びせて4得点を奪ったように、2年目のジンクスに陥る可能性もありますね」(広澤氏)
その開幕戦こそ、打線の大爆発で勝利した菅野だが、先に広澤氏が指摘したような“火種”はくすぶっているというわけである。
「あるベテラン選手も『入団2年目が開幕戦で投げるなんて、弱いチームがやるようなこと。うちは内海というエースがいるんだから』とこぼしていましたよ。原監督からの開幕指名に菅野自身も、『血縁関係みたいなことが強調されちゃって見られるのも‥‥』と困惑していた」(スポーツライター)
盤石と思われた投手王国にほころびのシグナルが見え始めているようだが、その状況を助長しているのが、原監督と川口和久投手総合コーチ(54)の冷えきった関係だというのだ。
「川口コーチは“100球制限”や選手の気持ちを大切にして起用するタイプです。しかし昨季の原監督は、セットアッパーの山口鉄也(30)を早い回から投入したり、イニングまたぎで何度も起用するなど方針が真逆だった。そればかりか、独裁が募って日本シリーズでは杉内の先発にこだわって敗れるなどして、川口コーチは監督の投手起用に否定的ですね」(球団関係者)
そんな中、原監督と川口コーチの関係はさらに悪化しているという。
「キャンプ終盤の2月25日に原監督が投手陣を集めて『投手はぶったるんでるじゃないか!』と檄を飛ばしたんです。その際、内海と西村健太朗(28)は名指しでやり玉にあげられていましたね。これには、川口コーチも投手陣も不満をため込んだ」(球団関係者)
というのも、投手の不調には理由があったからだ。2月11日に長嶋茂雄終身名誉監督(78)と松井秀喜氏(39)がそろい踏みで視察した紅白戦のために、ふだんはスロー調整の主力投手もキャンプ初日からブルペンに入らされ、原監督から早い仕上がりを求められていたのである。
「序盤のハイペース調整で内海や西村などが調子を崩していたのに、それを棚に上げての原監督の発言に川口コーチも業を煮やし、この一件があって以来、2人はろくに口もきいていない。2人の冷戦状況は投手陣の混乱に拍車をかけかねません」(球界関係者)
先発ローテーションに不安が付きまとう中、またしてもセットアッパーの山口には重圧がかかるが‥‥。
「2月に左肩の炎症を訴え、十分な投げ込みができていません。最速150キロ台の直球も140キロ台前半止まりで、調整不足は明らか。育成枠からはい上がった選手で弱音を吐くタイプではないのですが、いまだ左肩に違和感を抱えており、不安と焦りを口にしています」(巨人番記者)
山口は昨季まで6年連続60試合登板という大車輪の働きからもわかるとおり、06年から続く第2次原政権の強さの原動力だ。
「万が一、山口が機能しないとなると、そのしわ寄せが山口とともに勝利の方程式を担うマシソン(30)、西村に行き、投手の台所事情は非常に厳しいものになりますね」(槙原氏)