NHKの朝ドラ「花子とアン」のヒロインを演じ、一気に知名度を上げた吉高由里子(26)。最終回から2カ月半が過ぎ、ようやく伝わってきた(桃)現場をお届けしよう!
「これでどう?」
吉高の出世作「蛇とピアス」は全裸シーンのある映画である。私の裸を見ずして裸が撮影できるのか──そう思った吉高は衣装合わせの時、監督の蜷川幸雄氏を前に全裸になってこう迫った。厳しい演出から出演者に“鬼”と恐れられる蜷川氏も、この時は狼狽し、目を覆いながら、
「大丈夫、大丈夫、撮れる、撮れる」
と言うばかりだった。
高校生の時に芸能界入り。プロフィールの趣味欄に「麻雀!」と書き込み「音楽鑑賞」に書き換えられた吉高。枯れたオヤジの心に恋心を抱かせる理由を「ZIP!」(日本テレビ系)で恋愛コメンテーターとして活躍する、コラムニストの内埜さくら氏が分析する。
「男性の征服欲をかきたてるのだと思います。誰の言うことも聞かない女王様ではなく、ある程度たしなめれば言うことを聞きそうなユルさがある。今の会社は女性に何か言えばすぐセクハラ扱いをされますが、下ネタに寛容なところも中年男性には好ポイントなのではないでしょうか」
このコメントは今年上半期に放映されたNHKの朝ドラ「花子とアン」の撮影現場で証明された。ヒロイン「花子」を演じた吉高は、下ネタに寛容どころか、みずから下ネタを連発していたのだ。NHK関係者がその蔵出し現場を振り返る。
「撮影の合間に夫役の鈴木亮平の胸をつまみ『感度最高!』と叫んだり、耳に息を吹きかけては自分で『ハァハァ』と悶えていました」
ディレクターから恋人のように演じてと指示されると、そのディレクターに瞳を潤ませて、
「じゃ、私を好きと言って」
と迫ったこともあった。また、共演した校長役の外国人女優には真顔でこう翻訳を依頼した。
「あの部分って英語で何て言うの?★」
こうした吉高の雰囲気作りも手伝って、「花アン」はこの10年の朝ドラ最高視聴率22.6%を記録。打ち上げの席では大はしゃぎしたという。
「大好きなハイボールを一気飲みし続けていました。打ち上げは三次会まで突入したんですが、そこでキス魔になりました。吉高さんは視界に入った人のほっぺにキスしまくっていましたね」(前出・NHK関係者)
撮影の合間に行ったあるインタビューでは何を質問しても、
「ま、そうね」
とそっけない返答。最後にはこう捨てゼリフを吐いた。
「どうせアンタら(マスコミ)はあることないこと書くんでしょ! 私、知ってるんだから!」
別なインタビューでは、最近感銘を受けた映画について持論を展開した吉高。いつになく真剣な表情で語り終えたあと、イタズラな笑顔を浮かべて、こうちゃぶ台をひっくり返したのだ。
「とかいって、今までの全部ウッソ!」
いざ女優としてカメラの前に立つと、細かい演技にもこだわり、役作りに余念がない天才肌というのが制作者、共演者の共通する評価である。
「こんなふうに若い女の子にイジられたら楽しいだろうなぁと妄想している男性は多いはず。誰に自分のじゃじゃ馬ぶりを発揮すれば受け入れてもらえるかという嗅覚も持っていると思います」(前出・内埜氏)
大みそかには紅白の司会として、お茶の間を振り回すに違いない。