●ゲスト:新田恵利(にった・えり) タレント、歌手。1968年生まれ、埼玉県出身。元おニャン子クラブのメンバー(会員番号4番)。86年に「冬のオペラグラス」でソロデビュー、30万枚を超える大ヒットを記録した。おニャン子クラブ解散後、一時芸能活動を休業するも、のちに仕事を再開し、役者、ナレーター、エッセイストとしても活躍している。来年3月にはおニャン子クラブ結成30周年を記念し、シングルレコード126枚を復刻した「シングルレコード復刻ニャンニャン」(ポニーキャニオン)が発売される。
「脳動脈瘤」を患っていることを今秋告白した新田恵利。最悪死に至る病だが、そんなことは微塵も感じさせない笑顔と物腰に、天才テリーもアイドルがアイドルたるゆえんをかいま見た思いだ。おニャン子時代の「ビキニ拒否」秘話から来年の結成30周年記念計画まで、余すことなく暴露してくれた。
テリー 今、芸能活動はどのくらいになるんだっけ。
新田 来年で30周年ですね。今年は10年ぶりの舞台をやったりして、やり終えた充実感は大きかったですね。
テリー 僕は仕事はテレビが多いけど、テレビと舞台はまったく違うじゃないですか。
新田 違いますね。
テリー 例えば喉が調子悪かったら、テレビは何となくごまかせるけど、舞台はそういうわけにいかないもんね。
新田 そうですね。喉のケアにも気を遣って。
テリー 体は大丈夫なの?「未破裂性の脳動脈瘤」があると判明したと聞きましたけど。どんな病気なんですか。
新田 脳の動脈の中に、まだ破裂していないコブを持っている、ということですね。これが破裂すると「くも膜下」になって、重症になるか、亡くなるか。
テリー うわぁ、怖い。どうしてその病気があることがわかったんですか。
新田 健康番組の収録中に判明したんですよね。芸能界のお仕事は人間ドックがないから、ずっと検査をやってこなかったんです。旦那には「受けたほうがいいよ」とは、ずっと言われてたんですけど。
テリー 芸能人は会社員じゃないからね。健康管理は難しいよな。
新田 そうしたらちょうど、番組のほうから「とても精密な人間ドックをやりませんか」というお話があったので「ぜひお願いします」と受けたんですね。そこで見つかりました。収録の最後で「脳動脈瘤が見つかりました!」って発表されて。
テリー じゃあ、自覚症状はなかったんですね。
新田 一切なかったですね。
テリー 今、どんなふうに治療しているんですか。
新田 一般的には、コブがある程度の大きさまでいくと手術をするそうです。大きくなるとやっぱり破裂しちゃうから。そうじゃなければ年に1回MRIを撮って、経過観察をするそうなんですけど。
テリー 新田さんの場合はどんな選択を?
新田 私はしばらく様子を見ることにしました。手術をするか様子を見るかというのは人それぞれで、名前だけ見ると年配のおじさまの病気かと思いがちですけど、全然違うんですよ。
テリー 女性にも多いの?
新田 けっこう40代の女性に多いらしいんです。私は今46歳で。専業主婦の方は、いつ破裂するかわからないから、1人でいるのが怖くなってしまう。今倒れたらどうしよう、お風呂に入ってる時に倒れたらどうしよう、と。だから心配な方は、コブが小さくても手術しちゃうんですって。
テリー 手術ってどうやるんですか。頭を開けちゃうのかな。
新田 今は股関節から細いカテーテルを入れて、脳に届かせるような治療だそうですよ。
テリー えっ、そんな遠いところから?
新田 そうなんです。そしてコイルみたいなものを入れて、破裂しないようにするらしいんです。
テリー それは2~3日の入院でいいの?
新田 みたいですね。頭を開けるタイプの手術も、もちろんあるんですけど。
テリー 新田さんは手術をやる気はないの?
新田 今のところはないですね。お医者様が経過観察として診てくださっています。
テリー プロが診て、まだ手術の段階じゃないと。
新田 そうですね。だから、それ以上は心配しないでいいだろうと。
テリー 日常生活で気をつけることはないんですか。
新田 お医者さんは何もおっしゃらなかったんで私も特に気にしてないですね。
テリー 怖くはない?
新田 それが、重く受け止めてないんです。人間はいつか亡くなるものですから。病気を心配して「あれができない、これができない」、「あれに気をつけなきゃ、これに気をつけなきゃ」と生きるよりは、人に言われるまで忘れてるぐらいのつもりでいます(笑)。
テリー お子さんは?
新田 いないんです。
テリー そうか。気持ちを大きく、のびのびとしてるんだね。
新田 あっけらかんと生きてますね。