タレントの渡辺正行が今月6日、「解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ系)に出演した際、約8年前の50歳頃、更年期障害によるうつ病を患っていたことを明かして話題になった。
番組の中で渡辺は、かつてうつ病だったことを告白したマルシアの当時の様子を再現したVTRを見ながら、「俺も昔うつになったことがある」と涙を流しながら突然切り出し、当時の症状をこう語り出した。
「50歳くらいのとき、舞台をやってて。今まで感じたことのない、血が逆流するくらいに上がっちゃって。初日だからかなぁと思っていたら(それが)2日目も3日目も‥‥」
後日、渡辺が医師に相談したところ、男性更年期障害によるうつ病であると診断され、薬を服用して今は完治したという。
男性更年期障害によるうつといえば、吉田拓郎や漫画家の故・はらたいらも患ったことで一般的に知られるようになった。40代半ばを過ぎた頃から発症するケースが多く、倦怠感、不眠、発汗異常、感覚異常、性欲減退といった女性の「更年期障害」とよく似た“不定愁訴”を感じ、不調を訴え始める。とくに「うつ病」は仕事面での不便が生じ、休職もやむを得ない事態になるのだ。
女性の更年期障害が、閉経前後の女性ホルモンの低下が原因であるように、男性も同じく男性ホルモンである「テストステロン」の分泌量の減少が原因。その場合、投薬によるテストステロンの補充と併せて、漢方などで治療を行うのが一般的だ。しかし、薬の役割は2割程度。ほかにもカウンセリングなどの心理的な面からのアプローチも重要となる。
実は昨今、このテストステロンの分泌量に異常が起きている。通常は20代をピークに徐々に減少していくのだが、近年の40~50代男性のテストステロン分泌量は、60~70代のそれを下回っているという報告があるのだ。この最大の原因は「ストレス」だという。
「40~50代の男性といえば会社でも重責を負わされる立場。それによって交感神経優位な状態が続いて、精巣からテストステロンが分泌しなくなってしまうのです。また、家庭では奥さんや子供とのすれ違いで疎外感や孤独感を感じてくるなど、気づかぬうちに多くのストレスを溜め込んでいるんです」(健康雑誌ライター)
本来、テストステロンの分泌は副交感神経に支配されていて、自分が「楽しい」と感じることを行っているときに優位に働く。そのためには没頭できる趣味を見つけたり、軽い運動で気分転換するなどし、副交感神経が働く状態に持って行くことが、男性更年期症状の解消には大切なのだ。
「自分には趣味がなくて‥‥」と嘆く仕事一筋の中高年が多い一方、週末は大自然の中で遊ぶという人も増えている。今年はなにか新しい趣味を見つけてみてはいかがだろうか?