パ・リーグで最も想定外の低空飛行を続けているのは、オフに総額40億円とも言われる大補強を行ったオリックスだ。ブランコ(33)がわずか4試合ではやばやと左膝を故障して戦線離脱。中島裕之(32)と小谷野栄一(34)もそろって大きく期待を裏切り、打率は2割前後、打点はなんと2人足しても計6点というありさまだ。開幕ダッシュどころか、みるみる借金を増やしている。
「そもそも昨年はチーム盗塁が2位、犠打が1位と、小技でつないで勝ってきたチームです。今年はビッグネームをかき集め、一見、攻撃力がアップしたようですが、“巨人の暗黒時代”同様にポジションがかぶる4番打者ばかりそろえてしまった。結果的にはじき出されたT-岡田(27)が外野に回るような状況も生まれ、足でかき回す坂口智隆(30)、駿太(22)を常時併用することもできなくなった。すでに肉離れで離脱したとはいえ、リードオフマンのヘルマン(37)の出番激減も相手チームに与えるプレッシャーを軽減させてしまいました」(スポーツ紙デスク)
さらには、糸井嘉男(33)まで打率1割台の深刻な打撃不振という体たらくだ。
「今季から主将という肩書がついて負担になっている面はありますが、不調の原因はメジャー挑戦問題と言われている。オリックスはメジャーに送り出すことには消極的なんです。にもかかわらず昨年、メジャー挑戦をちらつかせた手術明けのエース・金子千尋(31)は、オープン戦で投げもせず開幕投手にしようとしたりして特別扱い。糸井のモチベーションを下げていますね」(スポーツライター)
森脇浩司監督(54)も頭が痛いだろう。
戦前はオリックスとともに「2強」との声が高かったソフトバンクも、圧倒的な戦力で突っ走るかと思いきや、貯金を作るのに四苦八苦している。
中でも戦犯は、右肩筋疲労を理由にノースロー調整となっている、年俸4億円の元メジャーリーガー・松坂大輔(34)である。なんと、古傷の再発も指摘されているのだ。
「渡米以後、走り込みで下半身を鍛えることが少なくなった松坂の投球は、メッツ時代から上体だけの手投げになっている。これをかつてのフォームに戻そうにもストレートの力は全盛期の60~70%だろうから、変化球を駆使するマイナーチェンジ化を佐藤義則投手コーチ(60)は提案したんです。しかし、松坂はかたくなにかつての投球を100%取り戻そうとキャンプから取り組んできました。なのに、復帰登板となった3月4日の甲子園で手投げに戻っていた。これを見た他球団のスコアラーから『あれ、股関節やったんじゃないの?』という声が上がったんです」(スポーツライター)
股関節といえば、09年のWBC前から痛め、右肩痛でDLリスト入りしたシーズンの終了後までひた隠しにしてきた古傷。完治に時間がかかるうえ、下半身を使った投球の弊害となるのは明白だ。
「松坂は戦力としてまったく計算が立たないのに、3年契約ですからね。現状の見通しは芳しくなく、球団関係者の中から『あのまま投げないほうがいいよ。そのまま引退して“年俸を返上します”って言ってほしいな』なんて、完全な見限り発言までが聞かれました」(球界関係者)
昨季最下位からの巻き返しを図る楽天も、打線が振るわない。そのためか、デーブこと大久保博元監督(48)は開幕からコロコロと打順をいじりまくった。
スポーツ紙デスクが話す。
「主力選手から『二軍監督時代には適応力を見るために必要だったかもしれないけど、一軍はそういうとこじゃないのになぁ』と不満が漏れていた。結果も出ていなかったため、星野仙一SA(68)が退任以降初めて担当記者たちを招集して食事会を開き、“事情聴取”をしていました。SAはイライラしながら、『悪いもんは悪いとはっきり報道しろ』と、デーブ監督に気づかせるよう指示を出したんですよ」
まだまだペナントは長いが、はたして開幕ダッシュ失敗のツケはどれだけ各球団に重くのしかかるか。