全国600万人の競馬ファンの夢、再び──。2000万円超というGI史上最高の大万馬券が出てから中1週。まもなく開催される日本ダービーもまた、波乱必至のメンバー構成なのだ。ウハウハ馬券をモノにする、専門家の“秘”解説を全公開する!
1着・5番人気、2着・12番人気、3着・最低18番人気──。5月17日のヴィクトリアマイル(GI)で三連単2070万5810円というGI史上最高額を更新する驚愕の払戻金を演出した激走馬の組み合わせである。この流れに乗るべし、とばかりに5月31日の日本ダービー(GI)出走予定馬を見渡せば、これまた超万馬券の予感バリバリなのだ。まずはレースの傾向を見てみよう。
「過去10年、1着になったのは、ほぼ3枠までの馬。圧倒的に内枠有利です」
こう話すのは、競馬ライターの兜志郎氏。確かに1枠6勝、2枠1勝、3枠2勝で、それ以外はわずかに12年の5枠があるだけだ。専門紙トラックマンが言う。
「この週から東京競馬場はBコースからCコースに変わります。騎手心理としては、コースが変わった週は展開が読みにくく、仕掛けどころが難しいそうです。だから荒れることが多い」
競馬解説者・東濱俊秋氏も、波乱の要素を次のようにあげるのだ。
「言えるのは、どんなに強い馬でも楽勝したことがないということ。皐月賞2000メートルまでのパフォーマンスがいかに優れていても、東京2400メートルの長い直線は、それまでの実績を鵜呑みにできないものがある。魔物がいる、とでもいうでしょうか‥‥」
競馬専門紙「優馬」公式サイトに掲載されているフルゲート18頭の出走予定馬の想定オッズによれば、1番人気は皐月賞馬ドゥラメンテ、2番人気が皐月賞2着のリアルスティール、3番人気はサトノクラウンとなっている。だが、この人気3頭には危険な要素がタップリと潜んでいるという。
前走の皐月賞で、4コーナーで外側に5頭分一気に斜行して他馬の進路を妨害したドゥラメンテについて、血統馬券評論家の亀谷敬正氏が言う。
「折り合いが非常に難しい。外枠なら確実に危ない人気馬でしょう。直線半ばでスタミナ切れを起こす可能性が大いにあります」
東濱氏があとを引き取る。
「気性が難しく、したがって操作が難しい。ゲートも上手ではないし、毎回のように出遅れている。皐月賞は賞金が足りないせいで直前まで出られるかどうか、そして使えるかどうか、ギリギリのラインで様子を見ていました。2週前に他の上位馬がリタイアしたため、急仕上げで激走した反動は心配です。厩舎サイドは『全然大丈夫ですよ』と自信を見せているけど、僕は本線では買わないですよ」
キングカメハメハ産駒がダービー未勝利というデータも不穏な要素だろう。
亀谷氏が、
「父ディープインパクトに母父ストームキャットで、血統的には向きます。だから切りきれない」
と評価する2番人気のリアルスティールは、
「馬の能力が高く、センスもあり、共同通信杯(GIII)ではドゥラメンテに勝っている。泣きどころは、騎乗予定の福永祐一が、いまだダービーを勝っていないこと」(兜氏)
信頼性としてはドゥラメンテよりも上のようで、
「以前は騎手がゴーサインを出してもスッと反応しなかったのに今は反応するようになった。馬が学習している感じです。危ない要素としては、あまりにも馬がヤル気になりすぎる点。皐月賞のレース前も燃えすぎていました。そのコントロールができるかどうか。福永はビッグレースでいまひとつだから」(東濱氏)
大舞台での鞍上の力量を不安視する声はあるが、
「凡走の可能性は低いのでは」(トラックマン)
と、期待する声も聞こえてくる。