2013年に「全身ガン」であることを告白するも翌年みずから「治療終了」を宣言、「ガンの一部が消滅した」とも話していた女優の樹木希林(72)。先日、主演作品がカンヌ映画祭に出品されたのを機に、スポーツ紙のインタビューでは、「ずっと“死ぬ死ぬサギ”やってる」と、余裕のギャグまで飛ばしていた。実は樹木のように、末期のガン患者でもその後「自然に」治癒、元気で生活している人は、決して少なくないのだ。
「人間の体は本当に不思議だと思います。抗ガン剤治療を受けず、(科学的に有効性が裏付けられている「通常医療」ではない)『代替療法』中心で、末期の肝臓ガンを克服することができたんですからね」
こう話すのは、群馬県高崎市に住む笹野富美夫さん(65)。54歳の時に肝臓ガンが発見されると同時に余命3カ月の宣告を受けた。しかし、現在ガンは消滅、すこぶる元気に暮らしている。
先端技術を用いた医療が進歩しても、我が国のガンによる死亡者は年々増え続け、昨年は約37万人。現在のガン治療に問題があるのかと思ってしまうほどだが、まずは笹野さんの闘病体験を聞こう。
「最初は03年の秋頃、体がだるく疲れやすい、微熱も続くという風邪のような症状が続いたので、友人の勧めるサプリを飲んだんですが、一向によくならない。疲れか年のせいかと思っていた時、妻に『顔色が悪い、黄疸かもしれない』と言われ、検査を受けた結果が『肝臓ガン』だった。“死”という言葉が頭をよぎり、茫然としました」
その後の検査で、笹野さんの肝臓ガンの原因は、C型肝炎から慢性肝炎、肝硬変へと進行し発症したことが判明。病名は「多発性進行ガン」で余命3カ月の宣告を受ける。ほどなく入院し手術を受けたが1年8カ月の入院中、4度にわたり『余命わずか』の宣告を受け、肝臓移植以外生存の可能性はないと言われた。笹野さんの肝臓ガンの腫瘍は肝臓の中心にあり胆管が圧迫され胆汁の流れを止めていた。そのため体内にチューブを入れ、そこから直接胆汁を人工的に体外に出すという苦しい治療だった。
「私は兄をガンで亡くしているんですが、その苦しむ様子を見て抗ガン剤の選択はしなかった」という笹野さんが選んだのは、乳酸菌が含まれたサプリなどを使った代替療法だった。
「私も末期ガン宣告を受けた当初から『自分の命は自分で守る』と決めていたので、代替医療でやる、という自分の決断に迷いはなかった。基本はガンという病気を知り、理解することだと思います。どんな治療法があるかを知り、『治療とは別に自分ができることは何か?』と前向きに向き合うことが大切で、必要だと考えた。とにかく、末期ガンでも治ることを信じて頑張ってきたんです」
闘病中には吐き気に襲われ、食欲不振に陥ってしまうこともたびたびだった。
「それでも食べないと末期ガンに負けてしまうと思い、食べられるものは何でも食べた。闘病中は体の免疫力を高めることだけを考えていました」
すると免疫力が高まったのか、徐々にガンが縮小し、痛みからも解放された。
「ガンの痛みは経験した人だけしかわからない。痛み止めも使っていいと思います。私も使いました。副作用もありましたが、あの痛みを我慢する必要はない」
そして「宣告」から1年8カ月後、ガンは完全に消えたという。
「もう一つガンと闘う重要な免疫が心。『病は気から』『気は心』と言われるように“心の免疫”はとても重要です」(笹野さん)