汗ばむ季節がやってくると、どうしても気になるのが体臭。高齢者の加齢臭は別にしても、最近では口臭や体臭で悩む人が増えているという。しかし食べ物を替えるだけで体臭は解消するというのだ。
外国人と比べると、日本人は体臭がある人が圧倒的に少なく、欧米人の4分の1、黒人の5分の1だと言われている。それだけに、逆に少しの体臭にも敏感になりがちだ。実際、最近は体臭を持つ人も増えてきているという。
「体臭は汗腺によるものです。汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があり、体臭はアポクリン腺に由来するニオイ。アポクリン腺から出てくる脂質を含んだ分泌液が皮膚に付いた細菌によって分解されニオイを持った脂肪酸となり強い体臭を発するのです」(中野内科クリニックの中野正院長)
元になるのは食べ物。体臭をキツくする食べ物はタンパク質が多く含まれている肉類。タンパク質が分解され発生する脂肪酸がニオイの元になる。体内が酸性に傾いていると、体の抵抗力が弱まり、体臭がキツくなってしまう。
「いちばん手っ取り早い体臭対策は肉類を控えることです」(管理栄養士・川田洋子さん)
体内が「酸性」「アルカリ性」のどちらに傾くかは食べ物によって決まるという。ではどのようなものがアルカリ食品なのか。
「梅干しに代表されるが、めかぶやもずくなどの海藻はアルカリ性の食品であるうえに消臭効果もある。海藻には水溶性食物繊維、非水溶性食物繊維の2種類の食物繊維が含まれており、そのうちの水溶性食物繊維は有害物質を吸着して体の外へ出してくれる。また、海藻にはニオイを抑えるフコダインというネバネバ成分も含まれている。さらに海藻には抗酸化作用もある優れものです」(川田さん)
肉食をやめるのは無理だとしても、みそ汁やサラダに海藻を取り入れることは簡単だ。今夜から始めてみてはどうか。
(谷川渓)