モデルの押切もえが絵画部門で初出展で初入選したとして話題になっている「二科展」。これまでにも工藤静香、石坂浩二、八代亜紀など多くの芸能人が入選したことで知名度は高い。しかし何十年も前から言われていることだが、この二科展のレベルは実際、どれほどのものなのだろうか。
「そうですね‥‥絵のことを知らない人はずいぶん権威のある公募展と思ってらっしゃるようですが、それほどでもないというのが事実です。芸能人が出品することでメディアが取り上げるので知名度こそあれど、実際には市民絵画展とレベルは大差ありません。今年の搬入点数は2978点で、そのうち721名が入選。出品者はだいたい一人2~3点は出品しているので、つまり落選する人はあまりいないんです。ましてやPR効果の高い芸能人なら、ある程度のレベルの絵が描ければ落選することはまずないと考えていいですね」(文化系雑誌ライター)
ちなみに近年では、乃木坂46の若月佑美も自由デザイン部門で4年連続の入賞を果たしている。
「二科展を主催する二科会は日本の美術団体の中でもリベラル派で知られ“誰でも受け入れる団体”と言われています。出品者も絵の好きな主婦など趣味で描いている人ばかりで、オープンな展示会という感じですね。ただし、本気でプロを目指す美大生や芸大生の間では『二科展に入選することは黒歴史』とまで言われているそうです」(前出・文化系雑誌ライター)
もちろん絵心があり、趣味で応募して入選する人たちに非はない。しかし、入選した人たちが“まるで画家気取り”になった場合は、「勘違いするのもいい加減にしろ!」とツッコミが入るかもしれない。そういったレベルの賞だと覚えておきたいところだ。
(山内純)