2015年も日本プロ野球界は、激闘とともにさまざまな話題が生まれてきた。その裏側を知り尽くした球界の事情通たちが、独自のスクープを持ち寄って回顧する!
──15年を振り返って、いちばんインパクトがあったのは、やはりCSファーストステージの直前に発覚した「野球賭博騒動」でしょうかね。
A(スポーツ紙記者) のっけから、そのネタですか(笑)。巨人が震源地となって賭博に関わった福田聡志(32)と笠原将生(24)、松本竜也(22)の3投手が解雇された。いちおうこれで騒動に幕が引かれた形になったけれど、結局はスッキリしないまま無理やりに蓋が閉められてしまった感じだ。
B(夕刊紙デスク) 巨人の3投手以外に内心で肝を冷やしていた選手は他球団を含めて複数いたからね。裏カジノに出入りしていたとの噂が根強い選手は、12球団全体を見渡すと両手の指で足りないぐらいいる。
C(球界関係者) この騒動発覚では一時、警察庁の「4課」(組織犯罪対策第4課)が水面下で動きだしていたと聞いている。
D(夕刊紙記者) 数年前に球界を去ったパ・リーグの元投手が野球賭博のハンデ師になっているとの噂もあるよ。その元投手は現役時代から博打にのめり込んだ悪癖が抜けず、名古屋の闇カジノで大借金を作って首が回らなくなってしまったらしい。巨人の野球賭博騒動は球界全体で見れば氷山の一角だよね。
──話をグラウンドに戻しましょう。その巨人は15年が原辰徳前監督(57)のラストイヤーでした。
E(スポーツ紙デスク) その経緯は御誌がいちばんよくわかっているでしょう(笑)。原前監督のバックには、チーム編成や彼の活動等について陰でアドバイザー的な役割を果たすメディア関係者・X氏がいたと、15年4月末に「アサ芸」が報じたことは巨人関係者や読売本社、そして球界全体に大きな波紋を広げた。原前監督とともに球団内での影響力が巨大になりすぎたX氏を“排除”しようとする動きが、巨人の中にあったのは事実だからね。そういう空気も察したからなのか、原前監督はサッとみずから辞任して高橋由伸監督(40)にバトンを渡した。
F(民放局スポーツプロデューサー) 由伸監督には一度仲たがいしたはずのX氏が再接近しようとしているという話もあるしな。原前監督がいなくなったあとの由伸巨人がどうなるのか、非常に気がかりだよ。そういえば、その原前監督に「不要」の烙印を押されて追い出された元主砲がDeNAで再ブレイクした。
B ホセ・ロペス(32)だね。14年まで2年間、巨人で活躍しながら起用法の問題でとばっちりを受け、14年オフに放出されて15年からハマの新天地でプレー。オールスター出場を果たし、自己最多の25本塁打もマークした。その原動力となったのは“原憎し”であったのは間違いない。開幕前にメディアから「原監督率いるジャイアンツとの対戦も注目されていますが」と質問され、ロペスが自分の首をかっ切るポーズを見せながら「リベンジ!」とひと言叫んだ時には囲んでいた誰もが驚かされた。
A とはいえ、そのロペスや筒香嘉智(24)、梶谷隆幸(27)らがそれなりに活躍してもDeNAが好調だったのは前半戦だけだったな。後半に急失速して最終的には最下位。さすがの中畑清前監督(61)も球団からの留任要請を断って退任した。
C でも、巨人フロントの一部には原前監督の後任候補の一人として、シーズン途中まで弱小球団を首位に引っ張り上げていた中畑前監督を推す声が実はあったんだよ。どこからか本人もその情報を聞きつけ、すっかりウキウキになっていたらしいけど、結局、後半戦でチームがガタガタになって自身の巨人監督就任プランも完全消滅。チームが急降下した8月上旬ぐらいに中畑前監督は巨人に近い関係者から「もう(監督就任の)道はなくなった」と聞かされたらしく、その時は憔悴しきって「今夜はヤケ酒だな」とグチっていたそうだ。