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名作ドラマ“至高の最終回”の謎を総直撃!(4)「<1982年4月3日・Gメン’75>若林豪」

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 勇壮なテーマに乗り、ハードボイルドであることを前面に押し出した「Gメン’75」(75~82年、TBS系)は、土曜夜9時の名物番組だった。黒木警視正役の丹波哲郎とともに、番組の顔であった立花警部役・若林豪(76)が振り返る。

 僕は「Gメン」には2回ほどゲスト出演して、それで105話から最後の355話までの5年間がレギュラーだったんだ。この番組はすごく好きだったし、視聴率も高かったから、入っていくのは誇らしい気持ちだったね。

 僕が入った時もそうだけど、「Gメン」は新メンバーが入るたびにオープニングタイトルを撮り直すシステム。千葉・館山の飛行場に前の日から水をまいておいて、翌日に陽炎が立ちこめる滑走路を横一列に歩いてゆく。当日に雨が降るともちろん中止で、何日も待ったこともあったな。

 当時は日テレに「太陽にほえろ!」があって、テレ朝に「特捜最前線」があって、各局が刑事ドラマとしての特色を打ち出していた。我が「Gメン」は、社会問題にも切り込んでゆく社会派のシナリオが売りだったと思う。時には撮影が元日にかかることもあったけど、それだけ現場の熱が高かったということ。

 僕が強烈に覚えているのは、沖縄から上京した青年が都会になじめず、やがて犯罪に手を染めていくというエピソード。沖縄問題を色濃く反映させたシナリオだったと感心しました。

 最終回は82年4月3日、通常の倍の2時間スペシャルで「サヨナラGメン’75 また逢う日まで」と題され、パリロケを敢行。サブタイトルの「人を裁く者はいつか自分も裁かれる」に、社会派らしい「Gメン」の矜持が見て取れる。

 年に2回は香港とパリの長期ロケがあった。香港で九龍城に行った時、普通は入っちゃいけないエリアなのに、それでも「Gメン」のスタッフは何とかそこを突破しようとするから。

 そして最終話はパリだったけど、やはり丹波のオジさんだね、忘れられない思い出は。そもそも丹波哲郎という役者は、言われているようにセリフをまったく覚えてこない。なんていいかげんだと皆さんが思うけど、それでも映像になると、誰よりも絵になる。天才でしたよね。

 ただ、人がセリフを必死に暗記している時に声かけてきたり、悪ふざけな面がある。最後のパリロケでも「おい豪、ルーブル美術館に行くぞ」と言うんです。若い役者に比べて、僕や丹波さんは序盤の出番が少ないから、時間を持て余していたのもある。

 それで丹波さんが美術館に入ったら、あっという間に外に出てきて「ここは絵ばっかりだ、帰るぞ」と言うんだよ。たぶん、丹波さんは、ストリップ劇場か何かと勘違いしていたのかもしれない(笑)。

 そして最後のロケが終わり、それでもまだ後ろ髪を引かれる気持ちがあったね。やり遂げたという思いと、まだ別の形でやればよかったかという思いと、それが「Gメン」という重みだったんだろうね。

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