球界が激震に揺れている。巨人軍から追放された元選手たちが、意趣返しで賭博実態の暴露攻勢に転じたのだ。隠されてきた球界全体の闇が連日明らかになる中、かつてその暗部にいた野村貴仁氏も口を開く。衝撃の告白は、清原被告についてばかりではない「大放談」を繰り広げた!
賭博報道の記事を読みながら、野村貴仁氏(47)はイラだたしげに口を開く。
「(記者の)○○君といい、今回の野球賭博のヤツらといい、最近の20代は頭おかしいんちゃうか」
さらりと記者への皮肉を交えながら、今回の賭博騒動を語りだした。怒りの矛先は松本竜也氏だ。
「あいつは昔から状況判断ができんヤツやった。プロ入り直前にブチ切れたったわ」
最近、友人から譲られたという小型冷蔵庫から取り出したビールでノドを潤し、本日も“舌好調”である。
松本氏は野村氏が現役引退後に開いた野球教室の教え子の一人。「野球の素質は一流だった」という、愛弟子の道が自身の愚行で閉ざされた怒りか、缶ビールを持つ右手に力を込めながら言葉を続ける。
「11年の甲子園のあと、松本に対して『絶対、全日本に選ばれるから練習しとけ』と言うたんや。せやのに、その間の10日、わずか1日しか練習しとらんかったんや! 結局、本番でひどい球しか投げられんかった」
怒りのマグマは冷めることを知らない。結局、松本氏はドラフト1位で巨人に入団したのだが‥‥。
「入団会見直前に眉毛も剃り上げるし、茶髪にもしとった。『注目されるし、染めるな』言うとったのにな。けど、口は達者で、ソフトバンクに入った同期の武田を『武田なんかに負けませんよ』といきがっとったわ。そこでブチ切れて『状況判断もできんヤツは(プロ)行くのやめろ!』と怒ったわ」
結果的に“状況判断”ができなかった松本氏は野球賭博という禁忌に手を染めてしまった。そして球界から追放されるや、前述したように「ノック」で選手間に金銭授受があったことを「週刊文春」で暴露したのだ。
とはいえ野村氏も、この一件に関しては平然。
「俺も含め、みんなやっていたことや」
と、あっけらかんと話し、詳細を語る。
「俺の時はノックだけやった。1人1万円賭けて、エラーをしたヤツから抜けていく。それで最後まで残った選手が全部もらうって感じや。1回で20万円くらいもらえたんかな。巨人では恒例や。当然、俺も清原(和博被告=48=)も参加したことがある。賭け金を徴収する役もやった。ガルベスは、支払いのために1万円札が200枚くらい入る超高級ブランドの財布から金を出してたわ。ええ財布やったなぁ」
時を経て、賭ける額も上がっていったのだろう。松本氏の証言内容では、選手は1度のエラーで練習から抜けることは許されず、エラー回数×1万円を参加選手全員に支払うといったものだった。野村氏は、
「このルールやったら、俺なんか1人に10万円くらい払わなあかん。怖いわぁ‥‥」
と、安堵するのだった。