低迷気味の大河ドラマを盛り上げるべく、脚本に三谷幸喜、主演に「半沢直樹」(TBS系)でブレイクした堺雅人を配して現在放送中なのが、シリーズ第55作目となる「真田丸」。
だが、肝心の視聴率は第2話で20.1%を記録した以降は右肩下がり。最新の11話では15.6%と自己ワースト記録を更新することとなった。ここまで話題性を備えておきながら、結果が今ひとつ出ないのはどんな理由からだろうか? ドラマ評論家が分析する。
「各登場人物のキャラクター性が明確に表現されており、会話のテンポも軽妙で非常にわかりやすいドラマになっているので、間口は広くなっていると思います。ただ逆に、その行き過ぎた演技がマンガチックに見えるところもありますね」
堺演じる真田信繁の幼なじみ・きり(長澤まさみ)の存在が、ネット上で「ウザい」と評されたのもそういう部分が色濃く出たゆえであろう。しかし、それだけが理由になるのだろうか。
「ハッキリ言ってしまうと、主人公の影が薄過ぎるのが問題ですね。信繁がまだ成長過程にあるとはいえ、実質、物語を動かしているのは父親の真田昌幸(草刈正雄)ですからね。その昌幸が実に魅力的な人物として描かれていて、信繁はそれに追従する小者にしか見えないのが難点。後の展開があるとはいえ、肝心の主人公が立たない物語に魅力は感じません」(前出・ドラマ評論家)
昌幸を演じる草刈にとっては喜びだが、作品そのものにとっては吉とは思えない。主役が輝かぬまま、物語はすでに5分の1が終了。ここから「倍返し」となるのか?