開幕3連戦を終えた新生・由伸巨人の今季展望について、間違っても「視界良好」などと言ってはいけない。チームの台所事情は火の車だからだ。度重なる“賭博ショック”に見舞われながらもかろうじて船出を迎えることはできたが、気がつけばチーム内の戦力は投打ともにかつてないほどガタガタ。この分では秋には最悪の結末を迎えるかもしれない。
決して大げさではなく、高橋由伸監督(40)率いる新生巨人は戦闘不能に近い状態にまで落ち込んでしまっている。実際に探りを入れてみると、思わず目を覆いたくなるような惨状の数々が続々とあらわになってきた。
まずは投手陣。何と言っても最大の痛手は昨季チームトップの13勝をマークしたマイコラス(27)が突然の“故障”に見舞われたことだ。宮崎キャンプ終盤で右肩の張りを訴え、米国に一時帰国して患部に注射する「PRP(多血小板血しょう)療法」を受けたものの長期離脱は避けられず、一軍復帰のメドは現在もまったく立っていない。
「そもそも“右肩の張り”についても仮病疑惑が出ている。宮崎で右肩を痛めた直後、チーム側の帰京命令に難色を示し『(2次キャンプ地の)沖縄には行きたいから、チームに帯同させてくれ』とメチャクチャなことを言っていたほどです。昨オフに2年契約を結んだから、恐らく今季は手を抜いてラストイヤーの来季だけそれなりに活躍する算段なのでしょう。というのも、再来年のメジャー復帰話が、すでに西海岸の伝統球団とまとまっていて『ケガをしないようにヨミウリ・ジャイアンツで適当に投げてくれればいい』と耳打ちされている──こんな仰天情報が海の向こうでは飛び交っているんです」(巨人番記者)
勝ち頭だったとはいえ、昨季からマイコラスはチーム内での評判が最悪だったという。
「タバコを毛嫌いしていて、一部愛煙家の選手たちが喫煙所でプカ~ッとやっていると、その場にツカツカと詰め寄って来て、『ファ○ク!』と中指を突き立てるなんてことは日常茶飯事でした。報道陣が質問しても見下すような態度で不機嫌そうに応えるので、『マイコのルーチンワーク』とメディアからも陰口を叩かれる始末だった」(球団関係者)
「嫌われ者」であることに目をつぶり、球団側はチームの勝ち頭だからと大枚をはたいて年俸2億4000万円(推定)の2年契約を結んだのだから自業自得と言っていいかもしれない。
さらには、本来ならば先発ローテを支えなければならないベテランたちも続々と戦線離脱に追い込まれている。昨年10月に右股関節の手術を受けた杉内俊哉(35)の復帰は早くても今夏以降となる見込み。大竹寛(32)も宮崎春季キャンプで左太腿の肉離れを負った。5月上旬の一軍合流を目指して現在もリハビリ中だが、やはりハッキリとしたメドは立っていない。
加えて由伸監督が就任早々にキーマンの一人としてあげていたはずの内海哲也(33)までもがオープン戦3試合で防御率10.32と極度の不振に陥り、開幕を前に首脳陣から二軍降格を告げられた。
「内海の劣化ぶりは相当深刻なレベルです。オープン戦でも大量失点を繰り返しましたが、昨季も大半を二軍で過ごし、公式戦はわずか2勝止まりだった。最近の体たらくは、ちょうど1年前のオープン戦期間中に左前腕部の肉離れを発症してしまったことが、そもそもの大きな要因ですが、それ以来、内海は再発の怖さが体に染みついてイップスという運動障害になってしまったんです。ヘタをすると、このまま復活できずに引退へと追い込まれてしまうかもしれない」(前出・球団関係者)